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天然ウナギの憂鬱

明日は土用の丑の日。
日本中のうなぎ屋さんが大忙しになるばかりか、スーパーマーケットやコンビニでも鰻が売られる不思議の日。
今年の丑の日は2回。
1回しかない年もあって去年は1回、来年は2回、再来年の2026年はまた1回。

夏のこの時期。
うなぎを食べなきゃいけないと強迫観念にも似たなにものかになぜ日本人はとらわれるのか。
理由は「夏をむかえるための滋養食」だということと「夏のうなぎは旨い」と思い込んでいるから。

実は夏のうなぎはまずいと昔は思われていた。
思われていただけじゃなく、実際、昔の夏のうなぎはまずかった。
うなぎがとれる場所は大概が川。
夏の水温は上がります。
水温が上がるとうなぎは脂肪を落とす。
うなぎのおいしさは脂にあるから、夏のうなぎは痩せてて味覚も滋養も落ちると不人気。
夏のうなぎ屋は商売上がったりする時代があって、そんなときに「夏にうなぎを食べて滋養を得よう」と業界挙げてキャンペーンをした。
江戸時代の後期のことで、「土用の丑にうなぎを食べよう」っていうのがキャッチフレーズ。
イベントごとが少なくてお菓子が売れなくなって困ったお菓子業界がバレンタインデーをでっちあげたような感覚ですね。

確かに今でも夏にうなぎを食べると元気が出るような気持ちにはなる。
この時期だけは少々値段がはってもおいしいうなぎを食べたいと思う人も多い。
そういう人たちの財布の紐をゆるませようと「天然うなぎ」を売り物にする店があったりするのだけれど「天然うなぎは食べるものじゃない」とボクは思うのネ。
それは一体、なぜでしょう。


うなぎは養殖できるけど、養殖できないものがある

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