口の中でリゾットになっていくオムライス
交通会館の3階にはじめて来てみる。
有楽町の駅前にあるかつて開店レストランがあったランドマーク的なる老舗ビル。地下に手軽でおいしいお店がたくさんあって、地下には何度も来ているのだけど3階まで上がってくるのははじめてのこと。
「喫茶ジュン」ってお店の「びっくりオムライス」はびっくりするほどたのしくっておいしいよ…、って教えてもらってやってきたみた。
ちなみに「Jun」じゃなくて「June」なのネ。だからジューンと呼びたくなるところだけどここはジュン。
目の前がテラスというのがまずいいです。テラス部分が屋上庭園になっていて、庭園を見通す窓際に座るとちょうど目線のところに線路が見える。
在来線はゴトンゴトンとゆったりとしたリズムで響くのどかな音と一緒に通り過ぎていく。
新幹線が近づくとカタカタヒュンヒュンと風きる音が窓のガラスを突き抜けお店にやってくるのがオモシロくって、しばらくのんびり、窓の外見てぼんやりしました。
さて今日の目当てのびっくりオムライス。
サラダとスープ。飲み物付きで1050円。
アイスコーヒーをお供に選び、まずサラダとスープを食べてお腹の準備をします。
スープの浮き身は細かく切ったにんじん、玉ねぎ。
卵をふわりと浮かべたコンソメで、こういうところもにしっかり手間をかけてるなんて…、と期待が膨らむ。
10分ほどでオムライス。
溶いた卵にご飯と具材を混ぜてそれから焼き上げた「ご飯を具にしたオムレツ」みたいな仕上がりでした。
それがびっくり。
銀座煉瓦亭に「元祖オムライス」っていうのがあって、それもこういう仕上がりでまかない料理としてはじまったんだ…、なんて言われる
。ただここのこのご飯のオムレツのうつくしきこと。色艶、大きさ、形とどれもがうつくしい。
卵はふっくら。しっかり熱が入っているけど硬くはない。
スプーンを入れるとオムレツの中にご飯粒がぽつりぽつりと見えるんですネ。エビや玉ねぎもそこに混じってなにやらにぎやか。
食べると最初はオムレツです。
ふわふわしていてしっとりで、けれど噛むとご飯の粒がコツコツ奥歯を叩く感じにびっくりします。
和風の出汁の風味を感じる。
塩味は控えめでなのに旨みが強くておいしい。
食感はリゾットに近いかもしれません。
でも味は玉子のおじやなんですネ。おそらく味のベースが和風よりだからだろうと思うのだけど、添えられているトマトソースと一緒に口に運ぶとおじやっぽさが妬くなってリゾット的になっていく。
オモシロイなぁ…、そしておいしい。
こういう料理がまだまだこの東京にはたくさん隠れていると思うとボヤボヤしてちゃいけないかもって思ったりする。オキニイリ。