牛たんの夜、ラーメンで昼
ひさしぶりに東北に来て、いつもお世話になってる「鉄兵衛」さんでうまいもの。
とんかつがおいしい日本料理の店だけど元々すし屋をやってた会社。それで季節の海の幸。ボタンエビ刺身とアワビ。
むっちりプルプル、甘いエビ。ゴリっと壊れて噛み続けるととろけるアワビ。日本酒があればどれほどシアワセかしらって思うおいしさ。
牛タンもお酒をねだるオゴチソウ。
調理人のひとりが中華料理出身の人。雲白肉片を作ってみましたとやってくる。塊肉を茹でて薄く削ぎ切ったもの。
下に薄切りきゅうり、上にネギ。
甘くて渋くてほのかに酸っぱいタレをからめてムシャムシャ食べる。
募る話に夜はふける。
水曜日の昼。仕事の合間にラーメンにした。
「マル寛そばや」という煮干しそばの専門店。
ラーメンによって煮干しのブレンドが変わるところが凝っていてメインの醤油ラーメンは濃口、薄口と醤油の種類も選べたりする。
東北はラーメン王国といってもいいほどラーメン需要の多い地域。
しかもラーメンをご馳走ととらえる傾向があって、ラーメン店がしのぎを削るエリアでもある。
そんな中でも煮干しをテーマにした店は多くはなくて、だからか熱烈なファンがいる店。昼食時間もそろそろ終わりというタイミングで、お店はにぎやか。畳の小上がりに置かれた大きなテーブルにつく。
テーブルの上に氷水を入れたタンクが置かれてて自分で注ぐというのがたのしい。
胡椒の容器も大きく気取りないことにまたニッコリ。
こいくち醤油。
こってり味のワンタン麺を選んでたのむ。
かなりじっくり待ちました。
大きな器にたっぷりスープ。
上に細かな背脂が蓋するように浮かんでて、麺や具材がみえないほど。
スープをすするとたしかにこってり。
醤油の味がどっしりしていて豚骨スープがベースになってる。そこに節の香りが混じっているけれど、それが決して主張しないのがいいところ。背脂の甘みもあってパンチの効いたオゴチソウ。
麺は細めでバッサリ歯切れてスープにからむ。
豚肉餡を包んだワンタンが全部で８枚ほども入っていましたか…、生地は薄くて大きくてペロンと唇撫でながらトゥルトゥル口を撫でてお腹をあっためる。
具材は海苔にチャーシュー、ネギ、メンマ。
麦飯をお供にもらってそこにチャーシュー。
舌がリセットされるのがいい。
脂がたっぷり混じっているのに不思議なほどに飲みやすく、胡椒をかけると脂の甘みが深みを帯びて一層おいしい。
お腹いっぱい、満ちました。
お店の壁には「朝ラー終了」という張り紙がある。
おそらくコロナの頃にはじめた朝の営業でしょう。それが終わったということはコロナもすっかり終わったんだということ。なんだかホッとする。