ひえひえなのにあったかい
「うどんや大門」でうどんを食べようと中野に到着。中野ブロードウェイの地下に急いだ。
開店時間の前に到着。30分近く前に来たのにすでに4人待ってらっしゃった。
ボクは5人目。椅子は6つで、だから一巡目の栄誉に浴する。
それから続々、お客さまがやってきて開店時間には20人ほどの行列ができていました。人気のお店。
カウンターの眼の前が厨房。
ご主人が大きな釜でうどんを茹でて、右手の鍋で奥さんが天ぷら揚げる。
うどんが仕上がるタイミングにあわせて天ぷらを揚げていく、阿吽の呼吸とでもいいますか…、互いが互いを感じながら料理を作る姿がこの店一番のゴチソウだなぁって思う。
今日は冷たいうどんを食べようと思って来ました。
ずっとここでは「ひやあつ」を食べていた。
冷たいうどんに熱々の汁をかけて味わう料理。
冷たい出汁より温かい出汁のほうが風味が豊かであろうと思ってそうしてた。
ただメニューには「ひやひや」…、つまり冷たい麺に冷たい汁をかけたものが店主のおすすめって書いてある。
しかも冷たいものがおいしい季節。
その「ひえひえ」を食べてみようと思った次第。南高梅をトッピング、ゲソ天追加にしてみます。
まずはゲソ天。
ひと口大に切られたゲソに薄付き衣。
青海苔をパラッとかけて風味をつけて、食べると磯の香りの軽い塩味。
ゴリッと潰れてゲソのうま味が油と一緒にジュワッと滲む。あぁ、おいしいと思うまもなくメインのうどんがやってくる。
あぁ、うつくしい。
透き通った汁にゆったり泳ぐように沈む飴色の麺。
丁寧に折りたたまれて上に大きな梅干し一個、青いネギ。食べる前からおいしい出汁の匂いがしてくる。
汁をひと口。どっしりとした出汁の味わい。
豊かなうま味にいりこの香り、最後に酸味。キリッと冷たい…、なのに味や香りは力強くて芳醇、しかも体を冷やさない。
麺がゴリゴリすることもなく、なめらかにしてトゥルンと唇、口の中、喉を撫でてお腹におさまる。
生姜やゲソ天をのせてみたり、梅干し崩し鬼おろしをたっぷりのせても出汁の風味はゆるがない。
おいしいなぁ…、どんな言葉もこのおいしさに追いつかないなぁって思いながらスルスル食べて、汁もすっかり飲んじゃった。
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