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オートクチュールじゃなくサラダスミズーラ
野菜を食べたい。場所は新宿。
やってくるのが「DIYサラダ&デリカテッセン」というお店。
新宿駅に隣接した商業施設の地下一階。駅界隈でも一番「働く女性やさしい店」を集めた場所じゃないかと思う。
中でもひときわ健康ムードを発散していて、ランチタイムなんかにはおじさん一人じゃ気後れしちゃうようなニギワイ。さすがに朝は静かです。
チョップドサラダのお店のほとんどは、野菜を選びドレッシングやトッピングなども自由自在に組み合わせ、自分の好みのものを一から作れるんだ…、とアピールする。
たのしいんだけど、面倒くさいと思うこともあり、特にはじめての人にはかなりハードル高い。その点、この店はあらかじめ何種類かのレシピが用意されていて、それをそのままたのめるし必要ならばそれから何かを引いたり足したりできるようになっている。
オートクチュールには手がだせないけど、プレタポルテならなんとかなる。プレタポルテに手を加え自分のサイズにあわせてもらえる、スミズーラならばなおよし…、って感じでしょうか。
ローストビーフがメインのチョップドサラダをもらう。名前は「リッチ」!
お店の一角にハーブやフルーツを漬け込んだお水が入ったタンクがある。デトックスウォーターって名付けられていて、100円で飲み放題。アクが強すぎると食べにくくなり、アクをとりすぎると味に深みがなくなっちゃうから適度に飲みましょ…、と一杯飲んで一杯おかわり。緑の香りが爽やかで、たしかにお腹が洗われるような感じがします。
ローストビーフと雑穀米を使ったチョップドサラダ。
スプーンですくって食べられるようにすべてが細かく切られている。
けれど全部が同じ大きさというわけじゃないというのがおいしいところ。
ピーマン、パプリカ、レッドオニオンといった食材はどれもがほとんど同じ粗みじん。
葉っぱ野菜は細かいのもあり、ひらひら口の中で踊る程度の大きさのものもあり。ローストビーフはクチャっと潰れて噛みごたえをたのしめる分厚さ、大きさ。そこに雑穀米のホツホツとした歯ざわり混じって、食感にぎやか。
ちょっと甘めの柑橘酢で味が整えられていて、テーブルの上にオリーブオイルが置かれてて、途中でかけると味も風味もコクを増す。オリーブオイルって醤油のようでもあり、出汁のようでもある実力派。
スプーン一杯の中にいろんな味、食感がひしめきあっているのがたのしい。特にいい仕事をしてくれているのがみじん切りにしたゆで卵。野菜にはない「栄養感」を感じさせるのがオモシロイ。
雑穀米に胡麻、そしてキヌアがもちもちだったりパラパラだったり、あるいはスベスベ。口の隅々がいろんな食感を感じて気持ちも騒々しくなる。葉っぱや野菜がふっくら器に盛り付けられてて、分量以上にカサがある。顎も使ってよく噛んで味わうことにもなるからかなり充実感をじんわり感じる。満たされる。