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珈琲やと上州屋

うどんでお腹をあっためて、アイスコーヒーでちょっとのんびり。
「珈琲や」っていうコーヒーの店。

鍋屋横丁のアーケード街にあって、アーケードの屋根を突き抜けるブリキの煙突が目印で、店に近づくとコーヒー豆を焙煎する匂いがしてくる。
店の裏側に「大黒湯」っていう銭湯があって、タナカくんの部屋からテクテク歩いて入りに来てた。
高い天井から吊り下げられるように作られたサウナ。ガラスブロックの壁と造りが独特で、二人並んで足を伸ばして「ゴクラクゴクラク」なんて言ってた。
お風呂を出たらここでアイスコーヒー。
風呂上がりのアイスコーヒーは格別だね…、なんて言ってね。
好きだったのは店の表のテーブル。スノコのような椅子やテーブルに座ると縁側で夕涼みをしているみたいな気持ちがするのがたのしかった。

だからここではいつもアイスコーヒー。アイスドリップですぐやってくる。

中空構造のステンレスのカップが見た目ひんやり。
手にはやわらか、中のコーヒーはずっとひえひえ。叩いて砕いて水で洗って表面なめらかにした氷がプカプカ浮かんで、その冷たさがまた格別。

深煎で苦味がドスンっと力強くて酸味はおだやか。
まるで冷ましたエスプレッソのような味わい。ただ粉っぽさはなくて喉を滑って落ちる飲み口なめらか。
お腹を重たくしないところがオキニイリ。

うどんを食べてかいたお腹の汗が引きます。サービスでついてたクッキーはお土産に持って帰ります。


中野新橋からはじまって中野富士見町から鍋横商店街と思い出たどる今日。
いつものように中野新橋まで歩いて戻り「上州屋」で弁当を買う。

タナカくんの部屋から新宿に向かってまっすぐ走ったところにある店だったのだけど、場所が移って大きくなった。
ショーケースの中に料理が収まり、そこから好きなものを6つ選べる盛り合わせ。

ご飯に海苔かごま塩、ふりかけが選べるというのも昔と同じでなつかしい。
原付きにのって買いに行ってくれてたんだけどいつも30分近くかかってて、なんでと聞いたら「だって何にしようか迷うんだもん」って言ってた。

たしかに料理はどれも魅力的。
ふたつ買うとほとんどの料理を選ぶことができるのだけど卵焼きと唐揚げは独り占めしたいからってどっちのお弁当に入ってた。

ご飯の上にはふりかけたっぷり。ボクはご飯に海苔を貼ってもらうのが好きだったけどタナカくんはふりかけ派。

ちょっと甘めのしっとりとした卵焼き。ニンニクと生姜がしっかりきいた唐揚げ。それから茄子の肉詰めがすきだった。茄子にひき肉を貼り付けて素揚げしたのを甘辛味で煮込んだもの。
わらびの煮付け、いんげん豆とベーコンの炒め煮、それからスパゲティのマヨネーズ和え。どれも好きなものばかり。
特にいんげん豆がキュッキュと奥歯をくすぐるような食感が心地よくって、しかもおいしい。

あごだしで白菜をクタクタになるまで煮込んだところに九州の味噌をといて味噌汁にする。お腹がたのしく満たされる。


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