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前回はいついらっしゃいました?ではじまるサービス

家から歩いてまもなく四ツ谷駅というところにおいしそうな看板発見。

「ビストロモンブレ」ってお店の黒板メニューボードに「ポルペットーネ」の文字をみつける。

イタリア風ミートローフとも書かれてる。
食べたいなぁ…、と思ってランチをそれにする。雑居ビルの地下の一階。テーブル6つの小さなお店。
ホールサービスは明るくたおやかな男性スタッフ。

紙おしぼりにお冷のグラスをもってにこやかにやってきて最初のひと言が「この前おこしになったのはいつ頃でらっしゃいました?」という言葉。
初めてですか?とは聞かない。
しかもとてもやさしくやわらかに。
「はじめてですか?」と聞いてしまって相手がはじめてじゃなかったときには失礼になる。だからの工夫なのでしょうけど、よく考えたなぁ…、って感心しました。
お店の空気はおだやかで、奥の厨房からおいしい香りがやってくる。

目当てのポルペットーネを選んでたのむ。まず前菜を数皿お持ちしますネ…、という。

ランチに盛り合わせの前菜を出す店は多いけれども分けて出すというコース仕立てなところが贅沢。小さい店ならではで、しかもどれもがいい状態で提供できる。料理の説明を一皿、一皿、丁寧にするのもステキ。
最初の料理がベーコンと玉ねぎをこんがり焼き上げ卵とクリームで仕上げたキッシュロレーヌ、白身魚をカリッとサクッと揚げてお酢に漬け込んだエスカベッシュ。
お店の人がした説明の通りに書いたのだけど、食べた感想もまさにそのまま。

淡路島の玉ねぎをすりおろして作ったドレッシングをまとわせた三崎口から運ばれてきた新鮮な野菜たち、そして喉ごしなめらかなパンプキンポタージュと続きます。

前菜を全部食べ終えたのを見届け、サラダの器を下げながらバゲット提供。
そしてこういう。
ポタージュやエスカベッシュの名残りをぬぐって召し上がってもおいしいかもしれません…。

なんでボクのしたいことがわかってるのってニンマリしました。
そのとおりにしながらメインの料理を待った。

やってきたのはみめうるわしいポルペットーネ。
粗めに挽いた牛肉にレバーを回せてベーコンで巻く。
芯には固茹でゆで卵。

パプリカ、かぼちゃにズッキーニとダイスカットの野菜が混ざり、切るとそれらがパラリと散らかる。肉汁は肉の一粒一粒にしっかり蓄えられていて噛むとクチャっと潰れてジュワリ。レバーのコクと香りが混じって肉を食べてるって実感がわく。

サイドのニンジン、ナスにジャガイモ、ブロッコリと野菜の火入れの状態もよく、なによりトマトソースがとてもフレッシュ。酸味、甘みのバランスがよくバゲットで拭ってお皿をなめたようにキレイに食べる。
「キレイに召し上がっていただいてどうもありがとうございます」とお皿を下げつつ、またひと言。
「お時間とお財布が許されますなら甘いものなどいかがでしょう」…、と言われりゃもうたのむほかなし。

内容を聞くとこれもなかなか魅力的。コーヒー、エスプレッソに紅茶、一晩かけて水出しにしたアイスティー。甘いものはフォンダンショコラとティラミスで、フォンダンショコラとエスプレッソを選んで食べた。ランチの値段は1100円。甘いものとエスプレッソで550円とおねだり上手なところもステキ。いい勉強になりました。


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