焼売、麻婆豆腐に担々麺で三位一体。小洞天
小洞天の焼売を食べたいなぁ…、って思った。
有楽町のビックカメラの地下のお店によく行っていた。撤退してからかなりご無沙汰。
日本橋に本店があって来年創業80周年をむかえる老舗。
老舗然とした高級感のある店造り。サービスも落ち着いていて確実だった。
けれどボクは有楽町のお店のムードが好きでねぇ…。天井は低くて香港の大箱レストランみたいな雑然とした店で、サービスもどこかワチャワチャしてた。
そのせわしなさが気軽で好きで、通っていたのは有楽町店。
それに本店にはないランチメニューがあって、それが好きだったのも本店を選ばなかった理由のひとつ。
今日は大手町にあるお店を訪ねる。
オフィスビルの地下フロア。店はかなりコンパクト。
食べたかったのは「三位一体」というランチセット。
この店の名物料理が3種類。焼売。担々麺に麻婆豆腐が揃い踏みというのが三位一体という名前の由来。
ご飯にザーサイがついてひと揃え。
麻婆豆腐は少々色黒。豆豉がゴロゴロ入ってて、刻んだ白ネギ、花山椒がたっぷりかかって風味を添える。
ひと口目はそれほど辛く感じない。旨味と豆豉の軽い渋みが口に広がり、おいしいなぁ…、っていうのが味の第一印象。
ところがあとから辛さがビリッとやってくる。
ヒリヒリするような辛味ではなく、じんわりじっくり、あとからあとから舌の上の辛さの濃度が増してくようなどっしりとした重たい辛味。
豆腐はじっくり煮込まれて、豆腐の水分が抜けたところにソースの辛味が入り込む。それで芯まで色づいている。細かな挽肉、そしてネギ。ホツホツシャキシャキと食感添えて豆腐のとろけを引き立てる。
そして今日の目当てのここの焼売。
名物の焼売が2個というのがちょっと物足りないところだけれど、一個が大きめ。
それに今のお腹にはこのくらいの量がむしろここちよい。
昔は緩めに溶いた芥子がおいてあったんだけど、コロナを期にポーションパックの芥子に変わった。
ちょっと残念。
ただお酢や醤油を使わなくても焼売自体に味がしっかり入っているから、芥子は辛味や香りを加えるアクセント。
極薄の皮で包まれて、だから噛むとムチュンと歯切れる感じはまさに肉。ときおり刻んだネギがシャキッと前歯に触る。
肉汁をたっぷり含んで噛むとゆっくりとろけていく食感にウットリしながら、ひと口、そしてまたひと口。
担々麺はぽってり系ではなくてサラサラスープに縮れた麺の組み合わせ。スープの旨味と香辛料の香りが鮮やか、しびれは少なめ。お腹の中から体をしっかりあっためる辛さがおいしい。
オモシロイのが挽肉を使わず醤油で煮込んだ牛バラ肉の塊が麺の上にゴロゴロ浮かんで転がっている。五香粉の香りが本格的で牛肉麺と担々麺を一緒に食べてる感じがたのしい。
担々麺に麻婆豆腐をのっけてみるとこれが案外おいしくて、スープと一緒にすくって食べるといろんな辛味が口の中でひとつに混じる。
お酢でちょっと味変をして、スープをゴクゴク、麺をズルンと平らげた。