ザクザクとぽってりが入り交じるゴチソウ…、ビニエ
池袋の〆に「アンティコカフェアルビス」。
駅前地下街のちょっとぼんやりした場所にポツンとある店。
すぐ横にフードホールみたいな食堂街ができたけど、相互に行き来できるわけでなく、ポツンと感はずっと変わらず。
長い間、知ってはいたけど縁がなかった。
外からみるとショーケースとエスプレッソマシンを置いたカウンターが見えるきり。
だからテイクアウト主体のお店のようにみえたのも入らなかった理由のひとつ。
先日、渋谷でここの支店を利用して実力派っていうのがわかって今日は来てみた。そしたら奥へ奥へと広がる大きな空間がカフェになってて居心地いいことにびっくりしました。
渋谷でも感じたのだけど、ショーケースの中がなんとも魅力的。
パニーニ、フォカッチャとイタリア的なサンドイッチの種類が豊富。
イタリア菓子もおいしげで「ビニエ」を選ぶ。
お供にアイスラテのレギュラーサイズを注文し、みるみるうちに料理はととのう。
ステンレスの丸いお盆にお皿とカップ。
イタリアのカッフェな感じがするのがオシャレでステキ。カッフェのカメリエーレになったつもりで背筋を伸ばして小粋に歩いて席に着く(笑)。
さてビニエ。
イタリアのシュークリームと言われます。
シュークリームの元祖という説もあったりもして見た目は素朴で飾り気はなく、でも相当の実力派。
生地の表面、上半分はクッキー風に仕上げてサクサク。
ひっくり返すと底はふっくらとした分厚い生地で、クリームを注入した跡がしっかり残ってる。
触るとクッキー生地がカサカサ指をくすぐって、割れば中から夥しい量のクリームが噴き出してくる。
生クリームとカスタード。カスタードにはラム酒混じりで大人味。
食べるでしょう…、上顎の前歯はクッキー生地をくすぐったく感じ、下顎前歯はふっくらとした生地でやさしく包まれる。
二つのお菓子を同時に口に入れたような不思議な食感。
それも束の間、クリームがすべてをまとめてとろかして、口の中をなめらかにする。あぁ、おいしい。
冷たいカフェラテもおいしいの。深い苦味がまず広がって、ミルクの旨みを甘く感じる。酸味が最後にキリッとひきしめ次のひと口ねだるゴチソウ。思わずニッコリしてしまう。