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神田の長崎。おじちゃん、おばちゃん、お元気で!

ひさしぶりに「長崎飯園」。秋葉原でやっていたときからずっと好きで通ってる店。

長崎出身のタナカくんが心から愛したお店で、秋葉原のお店が地上げで閉店したときは、代わりの場所を探してあげたくなっちゃうネ…、って言っていたほど。
おじちゃんとおばちゃんがふたりでやってて、いつも元気ではあるのだけれど「長生きしてよぉ…、ここの皿うどんが食べられなくなったら困っちゃうから」っておばちゃんにいつも言ってた。

人の心配するより自分の体の心配をしなくちゃいけない人だったのにね…。いろんなことを思い出す。
夜には長崎流の中国料理をたのしむこともできるけど、昼はちゃんぽん、あるいは皿うどんだけ。皿うどんは硬麺、柔麺の両方あってここでもやっぱり柔麺だった。

ゴトンゴトンとお店の奥の厨房から鍋を五徳に叩きつける音。
ジャーッと焼ける音にジューッと湿った音。
おいしい匂いがただよってきていつもの皿うどんがやってくる。

あんは色白。
具材たっぷり。
キャベツにもやし、海老にアサリにかまぼこにイカ。脂であんはつややかでおいしい匂いを漂わす。
箸をつっこみグルンと天地逆にする。

中から太い麺が姿をあらわして一緒におびただしい量の湯気が噴き出してくる。
つまり熱々。ふうふうしながらまずはひと口。茹でて軽く炒めた麺は、乾いた感じでちょっともさもさしていて独特。それがあんかけ具材をたっぷりからめて口の中で混ざり合う。互いの食感ひきたつゴチソウ。

あんで閉じ込められたどっしりとしたスープの味わい。具材ひとつひとつの持ち味も渾然一体となってあんと混じり合う。
具材の食感は多彩でにぎやか。キャベツの分厚い部分はコツコツ奥歯をたたき、薄い葉っぱのところはトロンととろける。もやしはシャキシャキ、クニュクニュかまぼこ、ぽってりとしたあんは肉感的なほどになめらか。

チョーコー醤油の金蝶ソースが置かれてる。皿うどんにはお酢じゃなくってウスターソース。タナカくんに教えてもらった食べ方で、酸味だけじゃなくスパイシーな風味もくわわりなんともおいしい。

食べてるうちにあんがほどけてスープに戻る。皿うどんからちゃんぽんに変わったようでこれもおいしい。

今度くるまでおじちゃん、おばちゃん、お元気で。


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