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感染予防に花一輪

最近、そばばっかり食べてるなぁ…、って思う。
もともとそばは好きな方。
四国出身でうどんを食べて育ったけれど、うどんは家で食べるもの。外食してまでわざわざ食べるものじゃなく、お外の麺はそばだった。
だから今でも外のゴチソウのひとつがそば。パスタも家で作って食べる料理に最近なって、なぜなんだろう。パスタに比べてそばのバリエーションは少なくて味もシンプルなのだけど、だから飽きずに食べられる。ほんのちょっとの違いが劇的に感じられるということもあるのでしょうね。
むしろお店、お店の個性が際立ち贔屓もできる。
オモシロイ。

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今日は新宿2丁目にある「楽庵」というそば屋に来てみる。東京にあって珍しい割子そばがある店で、それが目当ての今日のココ。

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カウンターに案内される。厨房の前のカウンター。1.5人分くらいのゆったりとした間隔で透明の仕切り板が立てられていて居心地が決して悪くないのがありがたい。

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しかもそこにはアルコール消毒液のスプレイと一味に山椒。天ぷら用の焼き塩の器が並ぶ。それから楊枝。一輪挿しにカーネーションと、その気遣いがとてもうれしい。ただ仕切りを置いただけのカウンターで食事をしてると、もしかしたら今のボクって餌を食べてるブロイラーかもってさみしい気持ちになることがある。一輪挿しの一つの色気で気持ちも艶っと明るくなります。
宙空構造のステンレスのお冷カップもよきおもてなし。

そういえばボクがまだ30代前半くらいまで、二丁目の別の場所にそば屋があった。
名前は忘れた。
日が暮れる頃から夜明けまでという営業時間で、そこが割子そばを売り物にしてた。
それ以外にも白いネギを一本まるごと使った天ぷらだとか、揚げ餅のそばだとか変わったそばがおいしくて毎週のように行ってたことがあったほど。
そこはなくなり、そこで働いていた人がここに移ってしばらくやってた。

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当時の名残の割子そば。5段、7段、10段とあり今日は控えめ、5段を選ぶ。5段分でちょうどせいろ一枚くらいの分量かなぁ…、タレに薬味を従えて積み上がった割子の姿に胸踊らせる。

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割子の器にタレを注いでズズッとたぐる。薬味は海苔に鰹節、白いネギがたっぷりにもみじおろしにうずらの卵。う玉は生で、食べられないからひっくり返さぬように注意しながら薬味をのせてはタレかけて。

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ズルっとすすって残ったタレを次の割子に注いでタレを追加して…、といろんな薬味の味が混じって割子を重ねるに従ってどんどんおいしくなるのがたのしい。
ゴリゴリとした太くて歯ごたえのよい蕎麦で香りも風味も力強い。どんな薬味もをあっさり受け止め、スルンスルンとお腹に収め、蕎麦湯で割ったタレでお腹をあっためる。これも良き蕎麦、オキニイリ。


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