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バフェは美術館の展覧会に似たり…!

「バフェをたのしむ」って「美術館をたのしむ」ことに似ているような気がする。
作品が少ない展覧会はあまりにさみしい。
逆に多すぎると食傷しちゃう。
ほどよい種類の作品が一定のテーマにしたがって揃えられている。
かと言ってテーマにがんじがらめになるのでなく、適当に寄り道が用意されていたりすると見て回るのがたのしくなる。
順路はある程度、作られているべきだけどロープがはられて、その順路通りにお行儀よく見て回らなくちゃいけなかったりすると窮屈で自分のペースを守れなくなる。
見どころがいくつか用意されているとうれしいなぁ…、その見どころを中心に行ったり来たりしながら自分なりの鑑賞の物語を作り出すことができれば最高。
バフェで言えば、おいしそうな料理が沢山揃っているのだけれど、どれがメインか伝わらぬメリハリのない品揃え。しかも一直線に料理がならび、割り込むことも許さぬ几帳面なバフェはたのしいバフェじゃない…、とボクは思うのですネ。

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さて、そういう不機嫌なバフェでなく、ごきげんなバフェの代表のひとつ。
西新宿のヒルトンホテルの昼のバフェ。
サラダが置かれたカウンターは入り口にして、一番最初の見どころが山盛りになった茹で蟹。そこから一直線に料理が続くも、並ばなくても途中から割り込み自由。逆走も可と自由自在。バフェコーナーの真ん中にはローストビーフのカービングコーナーがあって、それが二番目の見どころ。その裏側にはデザートコーナー。お皿をもって何をとろうかとグルグル歩くこと自体がたのしい。好きなバフェ。

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まず前菜的に一口分の料理をいろいろ。
茹でたホタテの柱に茹でたいんげん。キャロットラペをゼラチンで固めてパテのようにしたもの。ローストしたじゃがいもに芽キャベツ、ニンジン。ムール貝にクリームチーズであえた蒸しかぼちゃ。お腹の準備をしっかりとする。
ローストビーフを取りに行くと「今日は何枚にしましょうか?」と馴染みのシェフに言われて、今日は厚切りを1枚食べたいんで…、と分厚く切ってもらって食べる。サイドにシーザーサラダとパルメザン。塩で味わう分厚い肉は、クチャっと潰れる食感といい軽い酸味を残してとろける味わいといいなんとも贅沢。
イカ墨のパスタにポテトグラタン、カレー風味の野菜のトマト煮込みをソース代わりにお腹をしっかり温める。

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さてカニです。
茹で蟹の太った足を選んでお皿に盛り付ける。
ひたすら、ひたすらまず殻を剥く。
細いハサミで切り目を入れて、指でしごいてお皿に肉でも盛っていく。
20本ほども剥きましたか。
案外しっかりと身入りがあって、しかも繊維が太くて揃ったカニ肉。
サンドイッチにしようと、ライブレッドをとってきてレモンガーリックマヨネーズを片面に。
もう片面にはカクテルソースを塗ってそこにカニ肉のせる。
こぼれ出さぬようこんもりと。
パンで挟んでパクっと食べるとざっくりパンが崩れてシットリとしたカニの肉を包み込んでなんとおいしい。ウットリします。
実はここ数日、パンが食べたくてしょうがなく、スーパーに行こうがコンビニに行こうが、馴染みのパン屋に行こうがパンの売り場に何もなく、パン屋さんに至ってはしばらく休業。お菓子の売り場にはケーキ類は揃ってて、マリーアントワネットさまなら「パンがなければケーキを食べればいいじゃないの」とおっしゃるだろうが、パンでなくてはならぬ気持ちは収まらず、それで本日、めでたく食べる。

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ついでにローストビーフを薄切りにしてもらってロールブレッドで挟んで食べる。カレーマヨネーズっていうのがあって、それとアボカドペースト。サルサで味を整えて、エキゾチックなローストビーフサンドイッチの出来上がり。噛みしめるたのしさとパンの前歯をくすぐる感じを満喫。
そろそろ〆にと甘いもの。

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パンプディングがおいしそうでまずプチュンととった。ソフトクリームをボウルに絞り、マチェドニアをちらしてラズベリーソース。パンナコッタでひと揃え。
ちなみにソフトクリームが紫色で、何味?って聞いたらハロウィン味ですって…。バニラアイスクリームを紫色にしただけなんだけど、なんか違った味がするのがたのしい。マチェドニアの中にナタデココが混じってて久しぶりに歯茎がくすぐったくなる食感たのしむ。クロワッサンを使ったパンプリンはおそろしくなるようなおいしさで、コーヒーお供にお腹にに甘い蓋をする。


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