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正月2日の洋風弁当

今日から伊勢丹の初売り。ご挨拶をかねて伺い、ついでにおいしい洋食を食べて帰ろうと「西櫻亭」。

洋食というより「西洋料理」と呼んだ方がしっくりくるような上等な店。
かつて伊勢丹に入谷の「香味屋」があった名残りを感じさせる名店で、メニューや料理の設えも香味屋譲りでほどよく上等。
同じ食堂街で開店前から行列ができるお店は中国料理の銀座アスター、鮨の魯山にイタリア料理のアジオ、それから日本料理の分けとく山。
この店に待ちが出ることはほぼなくて、伊勢丹マダムは洋食がお嫌いかしらと不思議に思う。
必ず座れることがわかっていても、いつもの席をもらうため開店前に行って待ちます。
天窓みたいな明るい照明の真下のまるでテラス席みたいなテーブル。今日もそこ。ここの定番料理のほぼ全部入りの洋風弁当がオキニイリ。

まずコーンポタージュがやってくる。自然な甘みのぽってりとしたあったかスープ。クルトンが時折カリッと奥歯にあたって食欲湧かす。メインの料理の準備ができる。

二段重ねのお重が運ばれ、お待たせしましたと配膳される。

それぞれ3つに仕切られて上の段にはビーフシチュー、エビのグラタン、カットステーキ。
下にはご飯に揚げ物、サラダが並ぶ。
ハーブ野菜や紅芯大根、エディブルフラワーとサラダはにぎやか。
シャキシャキ食べてお腹の中をみずみずしくする。

揚げ物はエビフライにクリームコロッケ、メンチカツ。
衣は細かく色白で、コロッケがほんのちょっとだけ小さくなったかなぁ…、レモンは大きく立派でしかも果汁たっぷり。タルタルソースにマッシュドポテト、キャロットグラッセ、モロッコインゲンとガルニも丁寧に作られている。ゴチソウです。
伸ばさずクルンと丸まるがままに揚げたエビはムチュンと弾力抜群。甘くておいしい香りが鼻から抜ける。尻尾もパリッと甘くて旨い。小さくなったコロッケも甲殻類の旨みと風味がどっしりとした味わいで、とろけるクリームをパン粉のカサカサが引き立てる。

多くの料理の中でもメンチカツとビーフシチューは格別。
細かなメッシュのひき肉をラグビーボール状にしたメンチカツは切れば断面から肉汁ジュワッと染み出してくる。その肉汁がもったいなくてご飯の上にのせて割り、ビーフシチューをかけて食べる。
繊維がホロホロ崩れるほどに煮込まれた牛肉のおいしいこと。軽い酸味と豊かな渋みが旨みを見事にひきしめる濃厚ソースにうっとりします。

エビグラタンのマカロニクニュクニュ。

カットステーキはザクっと歯切れて脂がジュワリ。肉の繊維がハラリとほどける肉感的な食感で、あって欲しいものがお重の中にもれなく集まる幸せな今日。

食後の紅茶のミルクも熱々。やっぱりボクはここが好き。


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