空気が心地よい店。５００円の良心
時間にちょっと余裕があって「コーヒーロータス」。
日本橋の裏通りの角にポツンとあるお店。昔は向かい側にも気軽なレストランがあったのだけどビルの建て替えでそこはなし。
高島屋がショッピングセンターみたいにになっちゃう前の昭和な景色がこの一角だけ残った感じ。
昔は飾りっけのない店だったのが、ドライフラワーや生花がそこここにかざられていて、造り自体は変わらなのに空気はとてもみずみずしい。
ピアノのジャズが流れて大人なムードがいい感じ。
アイスコーヒーをたのむとカウンターの方からカッカッカッカって氷を砕く音がする。
ああ、いいなぁ…、ってニッコリします。何度もここでアイスコーヒーを飲んだけどそんなことには気づかなかった。気付けるようになったことにまたニッコリして、アイスコーヒーをしみじみ飲んだ。
多すぎもせず少なすぎもせぬほどよい分量。ストンとした筒状の薄いグラスが手にやわらかい。
ガムシロにミルクを注いで手に取り口に運んでゴクリ。
カリンと氷がグラスを叩く透き通った音が涼しく、口の中を一層涼しくしてくれる。
ほどよく酸っぱく、舌の上に苦味がしばらく残るコーヒー。手で砕いたコーヒーの表面がうっとりするほどなめらかで、唇にふれる感じがやさしくていい。
妙齢の女性がひとりでやってらっしゃって、代替わりされたのかなぁ…、と思っていったら外出されてたお父さんが戻ってらっしゃった。元気でがんばってらっしゃるんだなぁ…、と思ってホッとする。