鮭に飯、だし汁のご馳走
四谷駅前の超高層ビルの地下一階。レストラン街の中の一軒、「できたて屋」にくる。
駅前という好立地。オフィスと住宅の複合施設の一階にあって、なのに入れ替わりの激しい施設。
駅前とはいえ四ツ谷駅は乗換駅の性格が強くて、駅の前がガランと空洞。
外食ニーズのそれほど高くないのでしょうネ。
ついで需要じゃなくて、目的をもった人しか集まらぬ場所。
逆に特徴があればわざわざ人が集まる場所でもあって、たとえば駅前には行列ができるので有名な洋食屋さんがあったりもする。
人気のある店、ない店の差がはっきりしていてここは数少ない人気のお店。
さて「できたて屋」。
回転寿司や立喰寿司で人気の「根室はなまる」がやっている店。
「自家製一夜干し」「毎日精米」って貼り紙があって、店の中には精米機。入り口近くには炭がおこった焼き場があっておいしい匂いが漂っている。
昼は一夜干しの焼き魚の定食が売り物で、魚で腹がいっぱいにできるありがたい店。オキニイリ。
魚がメインの定食と海鮮丼が並ぶメニューは魅力的。
バターたっぷりのキングサーモンにしようか、大切りカットの銀鮭にしようかちょっと迷って銀鮭選び、ホッケのフライを追加した。〆て1490円。ほどよい値段。
一夜干し定食のおいしい食べ方の説明書きにお代わり自由の漬物、おしぼり、お冷のグラスとカウンターの上はにぎやか。
いつもながら時間がかかる。
かかるといっても10分少々。その待ち時間がおいしい食事にありつく覚悟の時間と思ってのんびり待ちます。
お待たせしましたとやってきたお盆の上にはズラリ料理が並んでにぎやか。
ご飯に味噌汁、サラダにホッケのフライにメインのお皿。
メインの銀鮭の大きいことにニンマリします。
この大きさの魚を焼くって時間がかかって当然だよな…、と待った自分へのご褒美みたいに感じるステキ。
軽く干した魚です。
水分が出て味はギュッと凝縮されてる。
箸を当てるとホロリと骨から外れる感じにまたうっとり。
味は入れずに炭の香りをまとわせ焼いただけ。
大きな徳利に入った出汁醤油を大根おろしにとくとくかけて、それと一緒に御飯にのせる。
あぁ、うつくしい。
熱々ご飯で鮭の香りが一層強く湧き上がる。鮭独特の香りもすでにおゴチソウ。食べても当然おいしくて、口に広がる脂のうま味。はらっと崩れてご飯と混じり消えていく。特に脂ののったハラスの部分をせせってご飯にのっけて出汁かける。
運ばれから時間がたっているのに出汁は熱々で、それというのも土瓶の内側が魔法瓶のように加工されている。出しかけ茶漬けの出汁がやっぱり熱々がおいしいものネ…、ありがたい。
出汁をかけると鮭の脂が出しに溶け込み茶碗の中がサーモン色に染まってく。
ホッケのフライは衣サクサク、ホッケはふっくら。レモンをしぼってマヨネーズをたっぷりのっけてハフハフ食べる。
汁は貝汁というのもありがたく、身までせせってきれいに食べた。
おいしい魚が食べたくなったらここに来ようと思えるお店。いいお店。