炬燵に入って朝の雪
山形県の南陽市の定宿、いとや旅館で一泊。
畳の部屋に布団、電気毛布が用意されててしかも炬燵がおいてある。
炬燵の上にはテレビ、空調、照明器具のリモコンがズラリと並んでお茶の入ったポットに湯呑。これでみかんが置いてあったら日本の冬の完璧なる世界だなぁ…、ってニッコリしました。
四国に住んでいた頃は炬燵をまるで必要としなかった。
関東に出てきて最初の冬に炬燵を買ってみんなで暖をとり、ありがたいなぁとしみじみ思った。家族みんなが小さな空間に足をつっこみ同じ暖かさを分け合う感じ。みんなが仲良くなったみたいになって、なんだかうれしかったものでした。
今でも一人で炬燵に入ると、誰かの足をさがしたりする。なつかしい。
今年は雪がまだなんですよ…、って地元の人の話を聞いて寝た翌の朝。朝起きたら雪が降っておりました。
雪の積もった朝は静か。シンシンと降る雪の音が聞こえてくるような凛とした白い景色に思わずブルッとお腹が震える。朝ご飯を食べに食堂にトントン降りる。
近所のおばさんが世話を焼いてくれる朝食。もう5年くらいずっと同じおばさんで世間話に花を咲かせる。今朝の雪は朝5時くらいから降ったんだという。今は積もっているけれど、地面はあったか。気温もこれから温むだろうからすぐに消えてしまうだろう…、と。雪で食ってる人もいるから大変ですねって降るなら降るで大変で、振らぬならばそれも大変。北国に生きる人の気持ちに頭を下げる朝。
野菜がメインの朝ご飯。車麩が入った味噌汁はきっぱりとした味噌の味がおいしくとても力強くて、ご飯をおいしくしてくれる。体が芯からあったまり席を立つといつものように「道中ご無事で」と声が背中をトンと押す。