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朝のラーメン、ワンコイン
朝からラーメン。
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昔はちょっと変わった趣味のように感じるこのフレーズも、今となっては「朝ラー」というジャンルがすっかりできちゃった。
朝ラーの店も増えて新宿だけでも10軒くらいはあるかなぁ。
体があったまる上、スルスルお腹に流れ込んでくる食べやすさが朝にピッタリなんでしょう。
どこもほどほどにぎわっている。
その1軒の「百日紅」。
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新宿三丁目の交差点の角。ルイヴィトンが一階で、その足元に朝からやってるラーメン屋があるっていうのがなんだか痛快。
商業ビルの地下2階。
目立たぬ場所なのに次々お客さまがやってくる。
朝ラーがたった500円。安さを目指してやってくるのかと思いきや、半分くらいの人が通常メニューをたのんで食べてく。
オモシロイ。
先日はじめて来たときは塩ラーメンを選んでたのんだ。今日は醤油ラーメンにする。ラーメンはチャッチャとテキパキ出来上がり、お待たせしましたとカウンター越しに料理が出てくる。
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前回も感心したけど、料理の顔がうつくしい。
醤油色した透明スープ。キレイな油がぽつりぽつりと浮かんでて、白い四角い何かがプカプカ浮かんでる。
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背脂かしらと思ってみると、これが玉ねぎ。
かいわれ大根に叉焼、メンマがキレイに並ぶ。
麺は細めのストレート。
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スープの中を流れるように折りたたまれて浮かんでる。
まずスープ。
あぁ、おいしい。お腹の底からうま味がじんわり染み込んでくる滋養に満ちた味わい深さ。
煮干し系とは言うけれど、煮干しの香りは最小限。むしろ醤油のおいしい香りが鼻から抜ける。
そしてスープのおいしいコト。お腹の中から体全体が目覚めてしかも滋養が体に行き渡る…、そんなおいしさ。煮干し由来の軽い渋みがスープのうま味をひきしめる。
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麺はスルンと口の中にすべりこんでくる。なめらか、そして歯切れがよい。バッサリとして細いくせして硬さを感じる。口の中を騒々しくする感じがオゴチソウ。
しっとりとした叉焼にザクザク歯切れて壊れるメンマ。玉ねぎがシャキシャキ奥歯を叩く感じに目が覚める。
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胡椒をふると胡椒の香りが際立ちスープを甘くさせ、お酢を注げばうま味が膨らむ。叉焼に一味をパラリ。脂の風味がくっきりしてくる。
おいしいなぁ…、素直でやさしく過ぎぬおいしさ。
しかもそれがワンコイン。ありがたくってしょうがない。
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汁を全部飲もうかそれとも残そうか。思案しながらほんのちょっとだけ残します(笑)。