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銀座の朝のうつくしきサンドイッチ
銀座ウエストで朝にしました。
厨房をうかがうことができるいつものテーブルが埋まっててお店の一番奥のテーブルをもらって座る。半分個室のようになったエリアで、なのにレジに立っているお店の人をまじかに感じる。
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どの席のお客さまにも気配りできるお店の造り。
補助椅子が取り囲む小さなテーブルは白いクロスをまとって気配を消している。優雅な空気がただよいます。
ハムとたまごのサンドイッチにアールグレイのアイスティー。
のんびり待ちます。落としたての熱い紅茶を冷まして作る。だからのんびり。
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ドビュッシーの「子供の領分」が流れておりました。
グラドゥスアドパルナッスム博士の途中から象の子守歌をまるまる聴いて、人形のセレナーデがはじまるところで運ばれてきたから5分少々。
アールグレイの華やかな香りと明るい渋みをコクリコクリとたのしみながら、小さな羊飼いのメロディーとともにサンドイッチがやってくる。
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分厚いハムのサンドイッチにたまごサラダのサンドイッチの盛り合わせ。
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ハムは分厚い。そして上等。むっちりとした歯応えと脂の旨みがなんともおいしい。レタス一枚、薄づきのマヨネーズとハム以外は最小限。
ぽってりとしたたまごサラダにもレタスが一枚。
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それらすべてをライブレッドのトーストがうけとめおいしくしてくれる。
カサカサっと前歯がくすぐったくなるほど乾いてよく焼けていて、ザクっと歯切れて壊れてく。その食感や焦げた香りがハムやたまごサラダの味、食感を引き立てるんですネ。しかも薄切り、主役の具材を邪魔しない。
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添えられたレモンの皮は雑味が混じらぬようにと削り落とされ、スクイーザーも見事にピカピカ。いつものように気持ちまでもがキラキラしてくる。BGMは「版画」になっておりました。