ぶっかけ中華ってどういう料理?
ひさしぶりの白河そば。タナカくんと知り合った頃に近所に住んでたことがある。その頃はまるでこの店のことに気づかず、来たこともなかったのです。
そこから2度引っ越して四谷三丁目に落ち着いて、8年ほど前かなぁ…、立ち食い蕎麦が大好きな友人にこの店のことを教わった。
来てみれば、かつての住まいと両親が住んでた家の間にあって、何度も前を通ってた。
ずっとそこにあったはずなのになかったことになっていた店。
他にもたくさんあるんだろうなぁ…、って思ってなんだか悔しくなった。それで来てみて食べてみて、あまりにおいしくびっくりし、あの頃知ってたら本当に重宝したのになぁって激しく悔しくなった店。
今の部屋からはテクリテクリと歩いて20分足らずの場所で、今日も散歩がてらにやってくる。
メニューは多彩。醤油を使わず出汁と塩だけで味を作った汁とひもかわうどんが有名。天ぷらはごぼう天はあるけれど海老天はなし。きざみはあるけど甘辛に煮たきつねはないというちょっと個性的な品揃え。
ボクが好きなのは中華麺を茹でて冷やして冷たい冷たい汁をかけた「ぶっかけ中華」っていう料理でいつもたいていそれ。今日はそこにきざみをのっけて、あいがけカレーを小ポーションでお供にしました。
券売機はなく口頭でお店の人に注文すると、商品を作りながらちゃちゃっと計算。いくらになるかを伝えてくれるという仕組み。いつも手際に惚れ惚れします。
カウンターに紅生姜にタクワン、昆布の茎を煮付けたものが置かれて自由にとれる。小皿にたっぷり盛り付けてトレイに並べる。ひと揃え。
硬めに茹でて冷たい水でキンキンにしめた中華麺。
ゴリゴリ、音がするほど歯ごたえがあってスベスベで、その頑丈な麺にしっかりしがみついて口の中へと飛び込んでくる汁のなんともおいしいコト。
昆布の甘みや節の酸味や旨みが驚くほどに力強くて、醤油なんかを使ってないから出汁の風味をくっきり感じる。
天かす、ネギ、海苔、わかめに追加のきざんだお揚げ。どれもが出汁の風味を壊さずおいしくしてくれる。天かすのおいしいことにもびっくりだし、きざみが汁を吸い込んで口を潤す感じもステキ。
煮込んだ昆布の茎を散らすと醤油の風味が汁の印象を劇的に変えてくれるのもオモシロイ。
一味をパラリ。辛味が汁を甘くする。ダチ油っていうここ特製のラー油のような調味料をちょっと垂らすと不思議なことに和風出汁が中華スープのようになってくところもたのしい。オゴチソウ。
あいがけカレーは牛丼にカレーをかけたもの。醤油と出汁でこっくり仕上げた牛肉に、スパイシーで食べるとたちまち舌から汗をかくような本格的なカレーが一緒に口の中へとやってきて、あっという間に混じって互いをおいしくさせる。
紅生姜やタクワンを乗せて食べると食感、風味が変わってたのしい。
カレーで熱くなった口を、ぶっかけ中華で冷やしてなだめる。ぶっかけ中華の汁にカレーの風味が混じるとこれまた不思議においしくてあっという間に器の中の麺や具材がなくなっていく。
ゴクゴク全部飲んでしまいたくなるおいしさで、特に汁を吸い込んで膨れた天かすのおいしいことにはウットリします。
けれどさすがに冷たいスープの塩気は強い。だから半分残して終えた…、大人なり。