マガザンルージュ。ステーキの焼き加減はおまかせで!
マガザンルージュで昼ごはん。
四谷四丁目の交差点近くのフレンチビストロ。ゴキゲンなご夫婦ふたりでやってらっしゃる気軽なお店。
この店になる前には「グレース」っていう喫茶店だった。
朝ごはんがたのしくて、昼はカレーやスパゲティがおいしかった。
その頃のお店の壁は白くていかにも喫茶店って雰囲気だった。
改装したらいきなり真っ赤になっちゃって、色が変わるとこれほど印象がかわるものか…、ってびっくりしちゃった。
「Magazin Rouge」はフランス語で赤い店。
最初はちょっと苦戦してた。
けれどワンちゃんと一緒に食事ができるビストロって看板を出し、半年近くもしてからそのコンセプトが定着した。週末なんてワンちゃん連れの人たちでいつも満席。
近所のおなじみさんがほとんどで、この界隈にワンちゃん飼ってる人がこんなにいるんだと思って、それにびっくりします。
アキレス腱やジャーキー、テリーヌとワンちゃん用のお土産料理はあるけれど、店で食べられるワンちゃん用の料理はない。
だからドッグカフェとは言えない…、それがむしろいいんでしょう。
ワンちゃんが食事するところは飼い主や同じワンちゃん連れの人にとっては可愛い景色。
けれどそうじゃない人にとってはちょっと複雑。
だからあえて料理は出さない。「ワンちゃん用の水もない」という潔さに感心します。
季節のスープにメインにお茶という構成はずっと変わらず。
パスタに魚、肉のグリルが6種類。昨日のいきなりなステーキが不発だったのでステックフリットで仇を取ります。
まずはポタージュ。
とうもろこしの甘くてなめらかな熱いスープで、バゲットがサイドに一緒に添えられてくる。
パン皿とスープの受け皿を兼ねたスマートな提供方法。
合理的でカジュアルで好き。
肉の焼き加減はいつも「おいしいように」とお願いします。
肉の状態でおいしい焼き加減は変わるもの。
だから焼き方はシェフにおまかせするのが一番。
ほどなくしてやってきたハラミのステーキはこんがりよく焼き。
表面は自分の脂でツヤツヤしてる。
ナイフを当てると確かな手応え。ざっくり切れた断面は深いロゼ色。ミディアムとミディアムウェルの中間喰くらいという感じ。
ハラミはそもそもよく焼きのほうがおいしい。
脂がしっかり焼き切れてこそハラミの風味や旨味を思う存分たのしめる。
まずはサラダを平らげる。オリーブオイルとお酢の酸味が食欲わかす。そしてステーキに立ち向かう。
強めにほどこした塩とハラミの脂が混じって味がととのう。
内臓に近いところにあるのがハラミ。厳格に分類すれば肉ではなくて内蔵に分類されるくらいですから、匂いが強い。
昔、日本ではその独特の匂いが嫌われ、お店の人はマリネしたりソースをかけたり、匂いをやわらげることに必死になった。
今ではその独特の香りをたのしむ人が増え、ここのステーキもそういうステーキ。フレンチマスタードをたっぷりつけておいしい香りにクッキリとした輪郭つけてワシワシ食べる。
フレンチフライがまた旨い。
芋は米、フレンチフライはフランスのご飯ってことになるんじゃないかなぁ…、芋の甘みと油の旨味でお腹も満ちる。
フレンチローストのどっしりとした苦味のコーヒーを飲んで口をスッキリさせる。おゴチソウ。
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