貝だらけ!
新宿西口の路地の一軒。「貝だらけ」ってお店でお昼。
「三是」っていう新宿界隈に魚がおいしい居酒屋をやってる小さなチェーンの一軒。
同じビルの二階がとんかつの豚珍館で、どちらも人気。
名前の通り貝料理の専門店で、貝好きだったボクたちにとって天国みたいな店だった。
お店の中には貝が活きてる水槽があって、夜に来ると貝の刺身やら焼き貝、蒸し貝。貝の料理だけでたのしく飲めて、お腹が満ちるありがたさ。
中国系の女性スタッフにタナカくんは気に入られてて、暇なときにいくと人生相談を受けてたりした。どんな話も嫌がらず辛抱強く聞いてあげるから、そんなことを言ってもいいの?って話も聞いて真剣にアドバイスしてた。
調理人は変わらず昔のままで、サービスの女性の言葉は中国訛り。同じ人かどうかはマスクをしててわからないけど、なんだかすごくなつかしい。
「貝焼き弁当」を選んでたのむ。
四角い木枠の箱に貝の出汁で炊いたご飯に焼いた牡蠣。
これが「貝焼き」という商品名の由来でしょうね。
醤油のタレをまとわせ焼いた牡蠣の香りが力強くて、しかもポッテリ太った牡蠣です。
ぷっくらしてて重たくて、噛むとプルンと弾けるようで牡蠣のうま味と風味が口の中で爆発するよう。
硬めに炊けた炊き込みご飯も貝のうま味がしっかりしみて、おかずがなくてももりもりいける。
もうひとつの箱には刺身。
マグロに白身、それからサーモンとボリュームたっぷり。系列店は刺身や寿司を売り物にした店が多くて、隣のおじさんたちがたのんで食べてた海鮮丼の圧倒的なボリューム感にニッコリしました。オゴチソウ。
サラダと汁に漬物。小鉢がついてひと揃え。
葉っぱ野菜にトマトの上に小さなホタテの貝柱がたっぷりのっかる。さすが貝の店です。こういう料理がとてもいい。汁もあさりがたっぷり入った味噌汁で、貝の味した炊き込みご飯と一緒に食べると貝の風味がますます広がる。
春は貝の正月です。近所の寿司屋では春の貝づくしなんてセットを売っていたりする。贔屓の寿司屋で、今日の貝をかたっぱしから握ってちょうだい…、なんてたのんで食べるのが春の儀式のようだった。今年はまだまだ気持ちが前に向かわない。そのたのしみは来年の春に繰り越しいたしましょう。