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タバコ屋さんのカレー屋さんのステーキカレー

タナカくんは渋谷のレストランのデザインワークをしていたことがあって、その頃、渋谷の安くておいしくて、しかもオモシロイ店を探していろんなお店に行ってた。
へんてこりんなお店を見つけると一緒に行こうよ…、って連れていってくれていた。
そんなお店のひとつが「フラヌール」。

ステーキカレーが人気の店で、ステーキカレーっというのがあまりない組み合わせの上、お店の構造が変わってた。
個性的なお店が立ち並ぶ「百軒店」の坂道を登ったところの角に「やなぎや」っていうたばこ屋さんがあるのね。
ただお店の上のテントには「カレーショップ&タバコ」と書いてる。

ドアにはカレーのメニューがあって、それでここがカレー屋さんだとわかるんだけど、たばこ屋さんはたばこ屋さんとして営業していて、たばこを売ってるおじちゃんがカレーも運べばお勘定はたばこ屋さんでするというシームレスで不思議なお店。ランチのステーキカレーは1300円。ご飯少なめでお願いします。

時間をかけて丁寧に料理はできる。
肉を焼く音がまずします。
それも騒々しくない程度の音で、おそらく表面をこんがり焼いたらほんの少しだけ休ませるのでしょう…、静かになる。
そこから数分。
何かをかける気配がするとバチバチジュージュー、爆ぜて湿った音がする。
ソースをかけて最後の仕上げ。
ご飯に乗せてカレーポットに入ったカレーを注いで完成。
ご飯をお皿の後方に寄せ上にステーキ、手前をカレーを流してサイドに福神漬け。うつくしい。

細く切られたステーキの断面をみるとほどよきレアでよい状態。
肉はやわらか、スプーンに乗せてご飯とカレーと一緒に口に運べる大きさ。粋でよい。

ステーキ自体に味がしっかりついています。醤油ベースのステーキソース。塩と胡椒の下味もしっかりされててステーキだけで食べても十分おいしい逸品。

カレーはポッテリ、なめらか。ガツンと来る辛さじゃなくて最初はトマトの酸味を感じる。やさしいなぁ…、って思いながら食べ続けるとあとからあとから辛さがおいかけてやってくる。
舌の中から辛さが滲んで出てくる感じがおもしろく、ステーキの味を引き立てるのがいい感じ。
ご飯のサイドに添えられた福神漬けがオレンジ色で景色が上等。

ちなみにカウンターの上には灰皿。さすがたばこ屋さんのカレー屋さんで、全席喫煙。ずっと変わらずなつかしい。


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