フランス料理の粋、ソースを味わうオゴチソウ
朝、トロワグロのクロワッサンを食べてたらサーモンオゼイユを食べたくなって、それでカフェトロワグロに来ることにした。
新宿の小田急百貨店の8階にある店。
かつて新宿にはミッシェルエストロワグロという優雅で上等なレストランがあった。場所はハイアットリージェンシーホテルの一階で、そこのカジュアルラインがこのお店…、という位置づけだった。
ただそのレストランがなくなって、トロワグロの料理をたのしむことができるのはもうこの店だけになっちゃった。
窓の向こうに西新宿の超高層ビル。雨で煙るビル街もうつくしいもの。
まずマッシュルームのポタージュで昼のお腹をあっためる。ぽってりとしたポタージュにフレッシュのマッシュルームをスライスしたっぷり浮かべて、砕いたヘーゼルナッツを散らす。食感にぎやか、マッシュルームの滋味に溢れたうま味も上等。
そしてサーモンオゼイユ。
サーモンの切り身を丁寧に骨を抜いて軽くソテする。
芯がレアで仕上がるように入念に。
魚の出汁とクリームをベースにオゼイユをくわえたソースをたっぷりお皿にながしてソテしたサーモンを飾って完成。
オゼイユの粘りと酸味が特徴的なソースを味わう…、という趣向の料理。なんともフランス料理らしい料理。なにしろ3つ星を冠するトロワグロを代表するスペシャリテを、百貨店の中でしかもカジュアルに味わうことができるというのは、まさに日本のステキなところ。
ソース自体の酸味はおだやか。生クリームのうま味やなめらかを心置きなく堪能できて、ところがオゼイユと一緒に食べるとその鮮やかな酸味にお腹が目を覚ます。
食事のはじめはオリーブオイルで食べてたバゲットも、サーモンオゼイユがやってきてからはそのソースを付けて食べるのがおいしくってたのしくて。あっという間にお腹に中にソースもろともおさまった。
気持ちがとてもよくなって、それで食後に甘いもの。パリブレストを選んでたのむ。
ふっかりとしたタイヤ型したチョコレート生地。中にたっぷりにモカクリーム。マーマレードをアクセントにしてピスタチオを砕いてひそませ、噛むとパキリと奥歯をしずます。マーマレードの苦味、酸味がカカオの風味をひきたてて、気持ちも満ちる。ミルクティーを飲みながらちょっとぼんやりいたしましょう。