肩の力が抜けたラーメン、悪くない。
「えっちゃんラーメン」っていうお店が歌舞伎町の中、神座の前にできた。
もともと煮干しラーメンで有名な「凪」があった。
その凪が煮干しスープを捨てて「とんこつラーメンの凪」にリニューアル。
それもつかの間、えっちゃんラーメンに変わったという目まぐるしい過去を持つ場所。
ちなみに最近、「ひろちゃん」だとか「ちえちゃん」だとか「○○ちゃん」って店名のラーメン屋さんが増えている。ラーメン世界では「ちゃん系ラーメン」っていわれはじめているようで、ちょっと気になり試すことにした。
お店に入ると体を動かす仕事の大きな人たちが、ズラリならんで食事中。みんなの背中がうれしげで、こういう店のラーメンは絶対旨いに違いない…、って思ってワクワク。普通の中華そばに海苔の食券をかってお店の人に手渡して待つ。
とんこつラーメンのお店だったころに一度だけ来たことがある。
お店のインテリアはそのまま。カウンターのひと席おきに冷たいお水が出てくる蛇口がついていたのはそのままに、ふた席ごとに衝立がしつらえられてて、だから蛇口を独り占め。
ラーメン類は券売機で前払いだけど、ご飯は現金払いというのがいい工夫。だってラーメンを食べ始めると食べたくなるのが白飯だから、テーブルで追加注文、その場で決済っていうのは理にかなってる。
衝立にはテイクアウト商品の告知がしっかりされていて、やる気満々。活字じゃなくて手書きというのがいい感じ。
ちゃっちゃと3分ほどで出来上がり。
ラーメンを食べようと思うときって腹ペコのときがほとんどだから、待たずに出てくるってこともおいしさの条件のひとつじゃないかなぁ…。
しかも大きな丼から溢れ出しそうなほどスープがたっぷり。
麺の上にはチャーシューとネギがたっぷり。麺がすっかり隠れてしまうほどのボリューム。
ラーメンみたいな大衆商品にとってこの「たっぷり」というのはすばらしく魅力的な特徴なんじゃないかと思う。具材と言えばネギ、チャーシューにメンマだけというところもとても潔く、必要なものだけ「たっぷり」。チャーシュー麺もあるのだけれど、普通の中華そばで十分満足できる。キレイな脂がたっぷり浮いて、ご飯が食べたくなっちゃうよなぁ…、って思う。それも良し。
麺は太めです。断面が平べったい楕円形をしていてなめらか。唇をスルンとなでて口の中へとやってきて、噛みごたえと食べごたえがある。だから分量以上に食べた感じがとてもたのしい。
スープはスッキリした醤油味。脂が結構混ざっているけど、ギトギト感はまるでなく喜多方ラーメンみたいな食べやすくって、なつかしくって、くせになりそうないい味わい。
胡椒をたっぷり。途中でお酢。隣のおにぃさんはすりおろした生にんにくをどっさり入れてズルズルワシワシ。そして白飯を口に含んでスープをごくり。
工夫まみれの百花繚乱ラーメン界もそろそろ原点回帰の時期なのかなぁ…、って思ったりする。お勉強。