仙台牛たんっていつから定番コンテンツになったんだろう…?
いつから牛タンの専門店って商業施設の人気者になったんだろう。
牛タンといえば焼肉屋さんで焼いてレモン塩で食べるもの…、って東京の人はみんなずっと思ってた。
たまたまボクが働いていた水道橋に「一心」ていう焼いた牛たんを麦飯、とろろと一緒に食べる店があった。仙台ではこれが普通の食べ方で、「太助」ってお店で修行をしたから一心太助にあやかってお店の名前をつけたんです。
そう聞き、仙台までワザワザ食べに行ったことがあったほど、それは仙台の郷土料理の粋を越えないものだった。
なのに今では日本全国に仙台風の牛たんを提供している店がある。
特に東京において人気は絶大で、東京駅の周辺だけでも10軒近くも店がある。
東京の人がやってる店や仙台からやってきた店と様々で、基本的に同じメニューでやっている。けれどそれぞれ味や風味が違うところがまたオモシロイ。
今日は牛たんの伊達に来る。仙台の牛たん専門店の老舗のひとつ。厨房の中の人たちもベテラン揃いでおいしそう。
タンの芯の部分を分厚く切って焼き上げた「芯たん焼き」を定食で。
麦飯にテールスープがついて定食。
とろろは別売り。
追加する。
牛たんの熟成のさせ方だったり、下味の入れ方が店それぞれで、ココはちょっと色黒仕上げ。
熟成よりも、下味でおいしい食べてもらおうと趣向なのでしょう、タンは若干硬めで噛み切るときに奥歯が唸る。
肉汁はほどよく噛んでるうちにゆっくりやわらかくなり、けれどとるけるようではなくてずっと口の中にいてくれる。噛んで、噛んで、噛んで味わい感じがなんだかなつかしい。
青菜の漬物、南蛮味噌がたっぷりで特に南蛮味噌の辛味は強烈。大人味。器の端に一味唐辛子をたっぷりおいて、それをつけつつ味わうとタンの脂が甘みに変わる。赤唐辛子独特の香りがタンの風味も良くする。オモシロイ。
とろろはあらかじめ出汁で味をつけたもの。ちょっと薄味。それでちょっとだけ醤油を加えて麦飯の上にぽってりのっける。ザブザブじゃなくてほんの少々。そこを狙って箸で持ち上げ、パクっと食べるとパラパラ麦飯がもったりねっとり。口の中で滑るようにして混じっていくのがおゴチソウ。タンの脂と麦飯の相性もよくて、この組み合わせを発見した人のセンスの良さに毎度感心。地方の食とは豊かなものです。
テールスープはほどよいおいしさ。テールの脂とゼラチン質で食べてるうちに口の中がスルスルしてくる。ご飯に南蛮味噌をちょこんとおいて、そこにスープを掛け回し茶漬けのようにして味わうと、ご飯までもがスルスルすべる。ゴチソウでした…、ありがたし。
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