管理職さえいなければ…、って思うお店ってかわいそう。
ロサンゼルスのメキシコ料理が食べたくなって、TGIフライデーズにやってくる。
どこのお店にしようかなぁ…、とちょっと思案して原宿の店。
路地っぽい通りに面して見事にしおれた一軒家。何度も店の前を通っていたけれど入ってみようと思えずずっとなかったことにしてた店。
ところが中に入るとこれがとても気持ちいい店。女性スタッフを中心にみんながいきいき働いている。
後楽園のお店に来たとき、あまりのファミレス具合に絶望的な気持ちになり、渋谷の店では楽しみたいって気持ちが空回り。上野の店は重苦しくって、日本じゃこういう業態はむつかしいのかもしれないなぁ…、って思い込んでた。その印象が一掃されるよきお昼。
座った場所もよかったのでしょう。
料理が次次出来上がっていく厨房の前。その反対側にはバーがあって、そこでバースタッフが楽しそうに働いている。
バースタッフがたのしそうだと、なにか飲み物を注文したくなる。昼からお酒はちょっとなぁ…、と思ってノンアルコールのカクテルたのんだ。
飲み物をたのむとそれにあわせてアペタイザーを食べたくもなり、それでバッファローチキンウィングをたのんでしまう。
メニューが酒を飲ませたり単価をあげるわけじゃなく、店で働いている人の働く場所や働き方が「飲んでちょっと金でも使うか」って気持ちを作る。オモシロイ。
グリルドチキンメキシボウルって料理をメインに選んでたのむ。
柑橘系の香りと酸味をまとわせたバターライスにブラックビーンズやフレッシュサルサ。
トマトにアボカド、コリアンダーに焼いたコーンを散らすように乗せ炭焼にした鶏むね肉を飾って仕上げる。
辛くて酸っぱく、フレッシュサルサがみずみずしくてメキシコっぽい味がして、けれどメキシコ料理そのものの味かというとやっぱりアメリカ中西部の味。
食べすすめるとチョップドサラダみたいな味になっていく。
彼らは一生懸命「アメリカ料理のレストラン」とアピールしてる。けれどアメリカ風のメキシコ創作料理ははやらないけど、チョップドサラダは売れる。だから「ハンバーガーとチョップドサラダがおいしい店」ってアピールすればもっと人気が出るんじゃないか思うのだけど、フランチャイズだからどうにもしょうがない。
バッファローチキンウィングもおいしかった。骨がスルンとキレイに剥がれ「キレイに食べたね」ってタナカくんから褒めてもらえるほどにむしゃむしゃ、夢中で食べた。
しかもなによりいいなと思ったのが一人ひとりがすべきこと考え自発的に働いているところ。のびのびしてていいなと思った。なのに店長のような人がやってきた途端に動きがギクシャクしはじめる。
おそらくこうだ。
その店長的な人は自分の思い通りに働かないスタッフを叱るんだろうと思う。昔型のリーダーシップのある人にありがちなことで、だからみんな頭を使うことをやめてしまう。その店長的なおじさんのサービスはといえば居酒屋っぽく言葉遣いもマニュアル的で、いきなり店のムードは洋風ワタミになっちゃう訳です。とても残念。もったいない。