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年の瀬を優雅なるサンドイッチとともに過ごす

銀座ウエストの喫茶室。今日が今年最後の営業日。
これは行っておかねばと買い物ついでに立ち寄りました。さすがにいつも以上ににぎやかで、オキニイリのいつものテーブルは埋まってて、そのテーブルを見ながら食事をすることになる。

ふたりでくると座った場所が大抵あの席。
待ち合わせしたときに真っ先に確かめるのもあのテーブル。
なつかしいなぁ…、って思いながらまもなく終わる今年を思う。
ほんのちょっとづつ気持ちが前向きになってきて、今まで怖かった夜の街にも出られるようになってきた。吹っ切ったというわけでなく、思い出を思い出の箱の中に収めることができるようになった感じ。
時々、箱を開けては泣いたりするけどそれはおそらくこれからずっとそうなんでしょう。しょうがない。

この店にくると気持ちが明るくなります。
モケット生地の張地のソファにレースの背当て。
白いテーブルクロスにピカピカに磨き上げられたシルバー類。

背筋を伸ばしたにこやかな人たちに、心地よい緊張感を帯びた空気がどれもステキでホッとする。

今年はじまったハーフサンドイッチをたのむ。
今のお腹にはほどよい量で、手軽な値段もありがたい。
ハムサンドをライブレッドで。
パンは焼いてくれますか…、といつものように注文し、ブレンドコーヒーをいただきますと言えば「ミルクと砂糖もお持ちしますか?」と聞かれる。
いつものようにニッコリします。

しばらく待ってやってくるサンドイッチもいつものごとくうつくしく、ハムやレタス、焼けたパンの香りまでもがキレイで華やか。

風味づけにと添えられたレモンの皮が削りとられていることにウットリします。

レモンの皮の表面部分は油を蓄えエグ味が強い。それも一緒に搾るのは粋じゃないから削ってスクイーザーに収めてくれるという入念。
見事にスパッと切り分けられた断面も見事で、これが料理なんだよなぁ…、って思う。

噛めば前歯をライブレッドがカサッとくすぐりバターの風味がじんわり広がる。ハムはムチュンと歯切れてムッチリ。たった一枚のレタスがみずみずしさと食感を発揮する。
すべてに過ぎず足りぬものがない。バランスが良くだからおいしいってなによりステキ。


コーヒーカップがさみしくなると、おかわりお注ぎしましょうか…、と言ってくれるのなんとも贅沢。また来年も贔屓にしましょう。よろしくね。


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