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焼鳥三昧の岐阜の夜
夜、岐阜で焼き鳥。
「とりぞう」という小さいながら繁盛しているお店で、朝びきの鶏を炭で焼く。
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鶏ってなにより鮮度が大切。だから落としてから時間がたった銘柄鶏より、無名の鶏でも落としてすぐに食べればおいしい。
しかもそれを炭で焼くとなればおいしいに違いなく、店名の上にも入り口脇の提灯にも「炭火焼」と書いてある。
焼鳥屋じゃなく炭焼屋っていうのがステキ。
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焼ける間をまずキャベツ。
キャベツの葉っぱの薄いところだけを集めて塩水をくぐらせ、一味唐辛子をかけたマヨネーズと一緒に食べる。
サクサクとした歯切れ感と甘みと青い香りがたまらぬゴチソウ。お腹の準備ができていきます。
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鶏のささみのタタキをたのむ。
表面を軽く炙ったささみはなめらか。奥歯や歯茎をなでるようにしてとろけていくのにウットリします。
そして炭火焼。
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ねぎまのたれ焼き、せせりの塩焼きがやってくる。
甘み控えめの醤油の風味がスッキリとしたタレがおいしい。
炭にあたって脂をにじませ、醤油と混じって軽く焦げてカラメル香が口にひろがる。
肉は小さめ。二切れづつ食べる感じでそれがほどよい。焼かれた面がおおくてなおさら香ばしい。ねぎまのモモはふっくらとして歯切れがよくてネギはキュッキュと奥歯を叩いて壊れてく。甘さが上等。
せせりはコリコリクニュクニュと食感たのしく口に広がる脂が旨い。塩と脂が混じり合いなんとも言えぬ旨味になるのにまたウットリ。
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それからレバーも食べました。
お医者様からはあまり食べぬようにと言われているから命がけ(笑)。でも命をかけてもいいかと思うほどに味わい深くとろけるゴチソウ。
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変わり串も食べて置こうと豚バラ肉でトマトを巻いて焼き上げた串。
トマトが甘くてしかもカリッと硬さを残して焼き上がっている。巻いた豚バラは薄くて脂がのっていてサクサク壊れて口の中をひんやりさせる。トマトの酸味が脂の甘みを引き立てる。
茹でて醤油に漬け込んだうずらの玉子の串焼きは、プチュンとはぜて半熟の黄身がとろけて流れる。
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ふっくら焼いたささみの塩焼きにわさびをのっけ味わったり、塩でこんがり焼き上げたつくねを食べたり焼鳥三昧。
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分厚く甘い玉ねぎのオニオンリングやレンコンの素揚げもおいしくお腹もほどよく満ちました。