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朝のばらーど、ハムトースト
今日はいい朝にしようと思って高円寺からテクリテクリと東に歩いた。
環状7号線を越えちょっと歩くと「ばらーど」ってお店がある。
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住宅の一階を改装した小さな喫茶店。
表通りに看板がありそこから路地を歩いた先の旗竿地。ぼんやりしてると気付かず通り過ぎちゃう隠れ家立地。
思わず「ごめんください」と挨拶しそうになっちゃう「お呼ばれ感」がなんとも特別
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ここのハムトーストは一級品で、駅から15分ほどの道のりも気持ちは飛ぶよう…、あっという間の到着です。
まずはサラダがやってくる。
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レタスにトマト、きゅうりにぽってりタイプのドレッシング。トマトは甘く、レタス、きゅうりはバリバリ歯応えさわやかでひと口ごとにお腹の中から目が覚める。
厨房からはハムを焼く音、パンが焼ける香りが漂ってきてお待たせしましたとハムトーストがやってくる。
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ハムサンドイッチじゃなくてハムトースト。
具材は焼いたハムだけ。
こんがり焼いたトーストにバターとマヨネーズ、マスタードを塗って挟んでひと口大に切り分ける。
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トーストをおいしく食べるためにハムの力を借りる。
それがハムトースト。
…、なのだけどここのハムはとても上等。
噛みごたえのあるほどよき厚さに切られて2枚。ハムステーキを手づかみで食べてるみたいな感じがしてくる。
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その感覚はまるで銀座ウエストのハムトーストサンドイッチのようで、それがサラダや飲み物付きでたったの600円。
申し訳なくなるほどうれしく、ありがたい。
トーストがカサッ。ハムが潰れて脂がジュワッ。口の中をひんやりさせてハムのうま味が広がっていく。おいしゅうござる。
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トーストをのせたザルに一枚、紙ナプキン。そこにバターが染み出して模様を作っていくのもステキ。
注文してから豆を挽き、ハンドドリップで仕上げたコーヒーに生クリームを注いでゴクリ。
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コーヒーの酸で乳脂肪がチリチリ固まり、ちりめん模様を描いてく。ほどよく酸っぱく、香り豊かで苦味がゆっくり甘みに変わる。時間がたつと温度が下がって、酸味がやさしくおだやかになる。おいしいなぁ…。
なにより夫婦ふたりで仲良くやってらっしゃる姿がステキ。
歳を重ねてもできる仕事に恵まれるうえ、それが生活の糧になる。それ以上のしあわせが、他にあるのかって思ったりする。あやかろう。