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オニオングラタンをテラスで食べる…。

秋から冬。街の気温が下がりはじめると無性に食べたくなるのがオニオングラタン。オニオングラタンはレストランの中で食べるより、外で食べる方が絶対おいしい。
カフェのテラス。
できればもっと寒い季節にコートを着込んでふうふうしながら食べて体をあっためる。
そんな食べ方が様になるオニオングラタンを、ちょっとフライング気味に秋のはじめの今日に味わう。

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場所は有楽町、銀座より。
この界隈で屋外の空気を感じながらオニオングラタンを食べられる場所…、といえばオーバカナル以外において思い浮かばず、それでいそいそやってくる。
夏には締め切られていた通りと店を仕切るフレンチウィンドーが、今日はスパッと開け放たれて、あぁ、あのテーブルに座って今日は食事をするんだと思うと気持ちがウキウキしてくる。

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お店の入り口脇に小さなドアがある。
中に入るとベーカリーで、テイクアウトがメインではある。けれどそこで買ったパンを、何か飲み物を店内で注文しさえすればレストランでも食べられる。今日はオニオングラタンを頼む気満々だから問題なし。
プロシュートルッコラのサンドイッチをもらって3つ切ってもらってお皿に乗せる。そのまま店内に自分で運んでお店の外を眺めることができるテーブルにトンっと座った。目の前は並木に泰明小学校。どこか東京ばなれした景色がステキ。ワールドカップキャンペーンのラグビーボールが風にゆらゆら揺れていました。

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塩の風味がおいしいバゲット。
硬くて乾いて素っ気なく、だから中に挟んだトマトが潰れてホッとする。
生ハムの脂がとろけて乾いたパンをなめらかにして、たっぷりくわわるルッコラの緑の香りで味が整う。
顎にガツンガツンとくる美味しさに、フランス的を感じつつしばらくまって昼のメインのオニオングラタンが到着します。

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大きな壺状の器にたっぷり敷き皿を持つとずっしり、手首が重い。
表面はほぼチーズです。こんがり焼けてとろけて蓋をした状態。チーズの下にはちょうど器の口の大きさに切られたパンが控えて、それがスープを吸い込みぽってり、やわらか。

スプーンを入れて持ち上げると、またずっしりと手首に重くチーズが伸びる。スープを吸い込んだパンも重たく一緒に食べるとあたかも雑煮の餅がごとくふるまいに、歳をとってもし食べ物に殺されるなら、雑煮で死ぬよりオニオングラタンって思って笑う。

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飴色になるまで炒められたオニオンの香りや甘味がおいしくって食べっつづけると思わず笑ってしまいそうになっちゃうほどのお気に入り。
テーブルチェック。手描きの伝票。1300円をお皿に入れてテーブルの隅に置いとくと、担当のギャルソンがきてエプロンのポケットから10円玉をとりだし手渡す。管理のことを考えるといろいろ面倒なこともあろうが、これでよければこれがよし。


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