今ここにあるアメリカ、バビーズの朝
ひさしぶりの「バビーズヤエチカ」。
アメリカを強烈に感じさせる空間で、料理も正しくアメリカ的。
ぼんやりしてるとここが東京駅の近く地下街ってことをすっかり忘れてしまえる。
サービススタッフのネルシャツ、ジーンズって装いもアメリカの学生街のダイナーみたいな感じでたのしい。
コーヒーをたのむと大きなマグに大きなミルクが入ったピッチャー。
テーブルサイドにはブリキの缶に突っ込まれた小分けの砂糖。ソルタンペッパの容器に大きなケチャップ、マスタードのコンテナとしみじみアメリカ。
好きな店です。
バビーズブレックファストっていうここの一番人気の朝食セット。それにスモールサイズのシーザーサラダを一緒に注文。15分ほどお時間頂戴いたします…、って言われたんだけど案外早く、スッと出てきた。
たしかにそれほど複雑な仕事をしなくていい料理。準備と手際でススっと出来ても不思議じゃなくて、なんだか今日は得した気分。食べる時間をたっぷりもらった。
玉子2個にグリルドベーコン。ローストポテトにトーストという組み合わせ。卵料理はスクランブルやフライドエッグから好みが選べて、オーバーミディアムフライドエッグを選んでたのむ。
シーザーサラダも本格派。
葉っぱ野菜にシーザードレッシングをかけてお茶を濁したりせず、ロメインレタスにオリーブオイル、少量の卵黄にレモン果汁をまとわせてパルミジャーノをたっぷりおろす。大きなクルトンをたっぷりちらして出来上がり。ロメインレタスの状態もシャキシャキパリッと上等で、朝の体が潤うゴチソウ。
それにしても玉子の焼き加減がいつも上等。
オーバーミディアムで…、とお願いするだけで、ボクの好きな状態に仕上がってくる。
白身の縁はサクサク、まるで金糸で編んだレースのように焦げて仕上がる。
胡椒たっぷり。
塩の状態もほどよくて、プルンと白身が口の中を撫でるようにして甘い香りと旨味を残して歯切れてく。
黄身の上にそっとナイフをすべらせると、とろんと黄身が流れ出す。
芯までしっかり熱が入って、けれどなめらか。
温められたお皿の熱がゆっくり黄身に乗り移り、ドレープのようなシワがネットリはいってく。指ですくって口に含むと、甘くてちょっと苦みが残る黄身独特の味が広がる。ウットリします。
玉ねぎと一緒にローストされたじゃがいもは甘くてネットリ。ベーコンは2枚。脂が焼き切れ仕上がっていて、指でつまむと崩れていくよう。1枚を指で壊してシーザーサラダの上に散らしてサクサク食べる。
残り1枚は二切れに切り分けらたトーストの上にのせ、もう片方には玉子一個分の目玉焼き。2つを重ねてサンドイッチ状にしてナイフでスパッと切って味わう。
焼けた小麦の香りと食感。玉子の旨味と焦げたベーコンの脂の風味で味がしっかり整って見事なサンドイッチになるのがステキ。お皿に残った黄身を拭って口に運ぶと黄身がソースのようにふるまい、一層味が濃厚になる。コーヒー飲んでしばらくゆっくりいたしましょう。
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