利き酒処で茶碗蒸し
銀座で昼食。ひさしぶりに「酒の穴」に来る。
らん月っていうしゃぶしゃぶ、すき焼きの専門店のビルをずんずん降りていく。
地下1階にあるステーキレストランを通り過ぎ、地下2階に向かう途中に「利き酒処酒の穴」って大きな看板。
タイガーマスクは虎の穴。
銀座サラリーマンは酒の穴で飲む修行(笑)。日本酒道場にこれから入門…、てな感じがするのにいつもニッコリ。
すべてのテーブル、カウンターに酒燗器が埋め込まれているのがここが日本酒天国の証。
カウンターの後ろには日本酒がずらりと並ぶ冷蔵ショーケースがおかれてて、そこを着物姿のおねえさんたちがテキパキ料理を運んでく。大人の店です。
ランチのメニューの種類は豊富。定番は上のらん月の自慢の肉を使ったすきやき丼やタンシチュー。季節の魚の料理もあって、けれど中でも一番人気は「お好みランチ」。15種類ほどの料理の中から好みを3つ選んで組み合わす。たいていいつもこれにする。
絶対選ぶのは茶碗蒸し。ここの名物。
それに肉じゃが。もう一品を悩みに悩んで結局ぶりの塩焼きにした。調べてみたら3年前ににはブリの代わりにサワラの西京焼き、それ以外は同じ組み合わせ。好みは変わらず…、オモシロイ。
ちょっと時間がかかります。お酒をお供にのんびり食事をたのしむペースにおそらく厨房が慣れているのでしょう。お酒を飲みながら待ちたくなっちゃう。昼はお茶。15分ほどで料理ができてやってくる。
蓋付きの器にご飯、お麩と三つ葉の味噌汁、太いタクワン、きゅうりの漬物、柴漬けという3点盛りも三年前とほぼ同じ。タナカくんが逝く一ヶ月前のことだったんだよなぁってしみじみなつかしむ。
2019年に閉店しちゃった銀座吉宗。
大きな茶碗蒸しが好きだったのにさみしくってネ…。
「酒の穴の茶碗蒸しが銀座随一のジャンボ茶碗蒸しになっちゃった」なんていいながら食べに来た。
ずっしり重たい。
しかも熱々。
普通のお店の茶碗蒸しの3人前くらいの量はあるんじゃないかなぁ…。
具材もゴロゴロ。鶏肉、かまぼこ、エビにカニ、銀杏、三つ葉と種類も豊富。スプーンを入れて持ち上げるたびに何か具材が一緒に入って口にやってくる。
ただ添えられているスプーンが小さくて食べてるうちに崩れてボロボロになっちゃうところがちと残念。玉子がたっぷり吸い込んだ出汁をすくって飲むに難儀するから、器を持ち上げスルスル飲みつつ食べていく。
ぶりの塩焼きは若干薄め。けれど脂がしっかりのっていてしかも皮がバリバリ焼けてる。
ぶりの皮をおいしいってはじめて思った。大人です。
肉じゃがは牛肉たっぷり。
東京の肉じゃがは豚肉で作るのが一般的。でも松山生まれのボクにとって、肉じゃがといえば牛肉とじゃがいもで作る料理。だからここの肉じゃがが好き。
脂をもたない赤肉がホロホロするほど煮込まれて、一方、じゃがいもは形を残した大きな塊。おでんに入ったじゃがいもみたいで、芋そのものの味がしっかり味わえる。ニンジン、玉ねぎ、グリーンピースで一揃え。
ご飯を半分食べたところで上にのっけてつゆだく牛丼にしてパクリ。ほどよく満足。おゴチソウ。