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マグロに穴子、路地のゴチソウ
日本橋にて野暮用。テキパキすませて「美家古寿司」にくる。
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日本橋高島屋の裏側の路地。再開発ですっかり変わってしまったこの界隈で、ポツンと残った昭和の風情。
昼のマグロ丼が人気のお店。
昔は豪快なご主人がにぎる大ぶりな寿司が人気の店だったけど、今は奥さんを中心にご婦人だけでやってらっしゃる。
このご婦人方が明るく元気で気持ちいい。
ガラッと引き戸を開けた途端に「いらっしゃい」って元気な声。カウンターに座るとすかさずお茶が届いて注文をとる。
目当ては「マグロと穴子の丼」で、これが人気の限定品。ぼやぼやしてると売り切れちゃうのネ。
急いできたからボクが口開け。なんの問題もなくありつける。
お膳の上にガリにべったら漬けの入ったお皿、大根、竹輪、こんにゃくの煮付けの入った小鉢が並んでやってくる。
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見事に磨かれ手触りなめらかな白木のカウンター。
湿度を上げてガラスに小さな水滴がびっしり張り付きすりガラスみたいに見えるネタのショーケース。
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厨房からシャリを盛り付けた器が運ばれ、そこにネタを切り付け並べてく。
マグロのいろんな部位をいろんな切り方で切り分けるのが特徴的で、そこにふっくらとしたに煮た穴子。
卵焼きにわさびをあしらい出来上がり。
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穴子は甘めのツメをつけた4切れ、何もつけずにわさび醤油で味わうように1切れ。
心配りがありがたい。
硬めに炊けて酸味がキリッとした酢飯。
刻んだ海苔と千切りきゅうりを敷き詰めて、マグロの下には大葉もしかれてとてもにぎやか。なめこの汁でひと揃え。
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やはりマグロが主役です。赤いところがあったり脂がのってピンク色したところがあったり。しかも分厚く削いだところがあったり、薄切りもあり、大きなサイコロ状のぶつ切りにしたところもあったりと食感、味わいがそれぞれ違ってたのしめる。
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脂は甘い。赤身は酸味がおいしくて、ひんやりとした舌に張り付く食感もよい。シャリと一緒に食べるとマグロの酸味がひきたって、きゅうりの食感、緑の香りが口の中をスッキリさせる。
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穴子はとろける。甘いツメで食べるのもおいしいけれど、わさび醤油で食べると穴子本来の風味や旨みを素直に感じてうれしくなっちゃう。タナカくんは穴子が好きな人でした。食べさせてあげたかったなぁ…、ご主人がいたときに一度だけ来たことがある。
食べ終わって席をたとうとしたら「これも食べてって」おかみさんが漬けをサービスしてくれた。
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醤油に味醂、日本酒を軽く煮立ててマグロを漬けて冷やしたもので、同じマグロがねっとりとして肉感的にすら感じる別物になる。オゴチソウ。