パフェみたいなフロート。渋谷のケニヤン
公園通りの裏路地に「ケニヤン」って言う紅茶の専門店がある。
お店の近所に「チャーリーハウス」っていうオキニイリの中華麺屋さんがあって、タナカくんと一緒に行った帰りにここによく寄っていた。
「今日もおいしかったよね」なんて言いながら飲むアイスティーがおいしくってネ。
だからとってもなつかしい。
お店の名前が「ケンヤン」って読めるのね。だからいつも「ケンヤンでお茶していこうか」って言っていた。それに「アイミティ」ってメニューボードに書いてあるのもたのしくて、ゆったりとしたお店のムードも好きだった。
アイスティーフロートが一番のオキニイリ。
１番人気のアイミティに紅茶のアイスクリーム、生クリームに凍ったブルーベリーを飾った姿はまるでパフェ。アイミティには砕いた紅茶のゼリーが混ぜられていて紅茶祭りのような一品。
たっぷりの茶葉をミルクで煮出したような苦味とコクがおいしいアイミティ。それに甘みをくわえて凍らせたようなアイスクリームがおいしくってネ。
ただ食べるのに難儀する。スプーンを押し付けるとアイミティが溢れてしまう。指でアイスクリームを支えながらスプーンでひっかくようにひと口分をすくって食べる。でもやっぱりアイミティがちょっと溢れて、溢れたところをペロッと舐める。
そしてニッコリ…、そのときのうれしそうな顔を突然思い出す。
凍ったベリーを生クリームと一緒に食べて口の中を甘酸っぱくしてアイスクリームをまた食べる。紅茶のゼリーも苦味がおいしくトゥルンと喉を撫でて消えてく。
砕けた氷もガリガリ噛んで、席を立つときはいつもグラスは空っぽだった。なつかしい。