ドリアの季節。〆はポッテリマキアート
ゆっくりと、でも着実に季節は冬に向かってる。
ドリアがおいしい季節になった…、と「ラ・タベルナ」にやってくる。
気軽な店です。昼はボリュームたっぷりのセットがあって夜はヒューガルデンを飲みながらおいしい料理をたのしめる。
基本イタリア料理の店だけど、グラタン、ドリア、オムライスと洋食メニューも揃ってて大人のファミレスみたいな気軽さ。近所に住んでいた頃はよく通ってた馴染みの店です。
今日の目あてはエビドリア。ここで一番のオキニイリ。
ハーフサイズでお願いすると同じ値段でセットにできる。飲み物+デザート、飲み物+ミニサラダ、あるいは大きなサラダのセットが用意されていて、大きなサラダのセットを選ぶ。
キリッと冷やした深皿にレタスにタマネギ、キュウリにトマト。クラシックなフレンチドレッシングをまとった野菜はどれも状態よくっておいしい。口の中で壊れてちらかりお腹を潤す感じがステキ。
じっくり待ってメインの登場。
ハーフサイズとはいえ気取ったお店の一人前はゆうにある量。
ココット皿から盛り上がり、チーズやベシャメルソースがこんがり焦げてやってくる。
ソースの下からエビの明るいオレンジ色が透けて見えるのがなんともおいしげ。
フォークを入れるとゴロンゴロンと背中を丸めたエビが姿をあらわす。エビが堂々主役の料理。
ブイヨンの味を含ませ硬めに炊けたサフランライス。ベシャメルソースの中にはエビとタマネギ、マッシュルームにエリンギ、シメジ。キノコ嫌いのタナカくんがいつも難儀しながら食べてた。
ソースはおいしい。ソースがからんだサフランライスがスベスベ、ホツホツ、口の中を騒々しくする食感もたのしくなによりエビがムッチリ、甘くてうまい。なのにぼんやりしてるとキノコが一緒にやってくる。だから注意深く食べていました。
キノコを探して食べたところを「ここは安全」って食べるように促すも、タナカくんはそこから必ずキノコを見つける。「キノコセンサーがついてるんだよね」って苦笑しながら食べる姿がなつかしい。
それにしても塩梅のいいドリアです。
サフランライスに対するソースの分量。フォークを入れて持ち上げると必ずもれなくエビが一尾のっかってくる。ほどよき塩味、自然な旨み。サフランライスにほんの少しだけパプリカが入ってほどよき辛味がソースの甘みをひきたて後を引く。
タバスコをパシャッとたっぷり。酸味と辛味がソースの味をひきしめて、食欲湧かすゴチソウになる。
ハフハフしながらゆっくり、そして丁寧に。自然とキノコを探して食べる癖が残っているんでしょうか…、最後の3口分ほどは正真正銘、キノコフリーのタナカ仕様になっていました。オキニイリ。
ラ・タベルナからちょっと坂を下ったところでのんびりコーヒー。
「バンコーヒー・バイロンベイ」っていう小さなエスプレッソバーによる。小さなお店の半分以上がキッチンで、そのかたわらに4人ほども座れば一杯になるカウンター。窓に面した席に座れば、まるでテラスで飲んでるみたいな気持ちがしてくる。
いつもここではマキアート。
近所のどこかで食事をしたあと、お腹に蓋するためにくるから小さなカップ一杯分の量がうれしくマキアート。
豆は2種類。深煎り、浅煎りで選べるようになっていて、酸味おだやかな深煎り選んで作ってもらう。香ばしくってどっしりとしたエスプレッソにふっくらミルクの泡がのっかる。いつもながらにキレイな模様。小さな店でカップを運ぶ距離も短く、泡がフレッシュなままで味わうことができるのがありがたい。
ポッテリとした泡がやさしく口から喉を撫でながら、苦味、甘みを残して消える。飲み終わってもカップの底に泡が残っているステキ。しばらくぼんやりいたします。