おひさま色のたまごトースト
四谷三丁目の駅のホームで「今日はなんだかさみしいなぁ…」って思ってぼんやり電車を待っていた。
そしたら中野富士見町行きの地下鉄がくる。
荻窪行きがメインの電車。中野富士見町駅本数の少ない支線の駅で、なのにたまたまそういう電車がやってくる。
会いに来て…、って言われたみたいでニッコリします。
今日は午後から小さな打ち合わせがひとつあるだけ。小さな旅をすることにする。
タナカくんが一番長く住んでた町。そのひとつ手前の中野新橋駅で一旦おりて、「トリクロマティックコーヒー」でまず朝ごはん。
たまごトーストにアイスコーヒーをお願いしました。
オキニイリのカウンターに陣取ってまずやってくるアイスコーヒーをグラスを叩く氷の音に耳を傾け、しばらく待ちます。
そしてメインのたまごトースト。
明るい黄色に外の光があたってツヤツヤ輝くようで、見いているだけでシアワセになる。
食パンの上にこんもり、ぽってりとしたゆで卵のマヨネーズあえ。
トーストや焼けたたまごの甘い香りが鼻をくすぐり食欲誘う。いかにも朝のゴチソウです。
トーストの上にのせられているのはたまごペーストじゃなくて粗く潰したゆで卵のマヨネーズあえ。
ぽってりとした黄身とプルプルとしたハリのある白身のコントラストが口の中をにぎやかにする。
マヨネーズは崩した玉子を軽くまとめるだけの分量。だから玉子そのものの持ち味、風味をたのしめる。
耳までよく焼けたトーストがカサッと前歯をくすぐる感覚。サクッと歯切れて玉子と一緒になってとろけるなめらかさ。
どれも特別。
じっくり見るとマヨネーズあえのところどころに小さな泡が溜まってる。脂が沸騰して焼かれた名残り。焦げたところが香ばしい。
アイスコーヒーのグラスに小さな水滴びっしり。
お店の外を眺めるカウンターでアイスコーヒーをコクリコクリと飲みながら、しばしぼんやり。そしてひと駅歩きます。