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鶴岡の琴平荘。まるで座敷の海の家
車で南陽市をでて西へ。山超え谷越え、途中、月山で雪に振られて日本海側にやっと到着。
2時間ほどで海辺の街、鶴岡に着く。
へんてこりんなラーメン屋がある。先日、ガイアの夜明けで紹介されて人気に拍車がかかってとんでもないことになってるんです…、って地元の人に言われて来てみた。
「琴平荘」というお店。
もともと海水浴客相手の民宿で、海っぺりにある。夏が終わって秋、冬、春とボーッとしてると商売にならない場所でなんとか人を集める方法はないかと始めたのがラーメン営業。7年ほども頑張って徐々に火が付き大ブレークということらしい。
宿の大広間に大きな座卓をポツンポツンと15個並べ、一卓ひと組。番号札が広間の入り口に置かれててそれをとって待つというシステム。開店40分前に来たのだけれど15個のテーブルはすでに一杯。17番の札をもらえて広間の角でじっと待つ。
次々人がやってきて、「どこから来ました」って自然と話しが弾んでく。
私は1時間かけましたとか、隣町なんだけどやっとこれたとかっていいながら、一応にみんな照れくさそうに「バカみたいですよね…、ラーメンなんかにこんなに待つなんて」っていう。
そしてついでに「番組、観ました?」って聞いて「観た、観た」ってみんな相槌。
再び笑う。
ボクらなんか山越えで2時間以上かかりましたっていうと、「バカですねぇ」って周りの人に笑われて、「大馬鹿モノです」って笑って答える。
ラーメンマニアの人たちが真剣に並んで食べる店であると同時に、ブームに乗っかっちゃった人たちが行列に拍車をかける店でもある。今の行列レストランの本質見るような気持ちになった。
ラーメンは醤油に塩、限定数の味噌と3種で、それぞれあっさり、こってりがある。チャーシュー、メンマに海苔にネギとトッピングはシンプルでそれぞれ追加トッピングで量は加減できるスタイル。替え玉が用意されているのも特徴。
スープはあごだしベースで、醤油はきっぱりと塩の旨味を感じる東北地方らしい味わい。麺は縮れて全粒粉を使った香りたかいもの。醤油であれ塩であれ出汁の存在感が半端なく、どれも同じに思えるほど。とびきりおいしいわけじゃなけど、嫌いな人は少ないだろうって思える味で、それに比べて力強い味噌のスープの味わいが突出してる。海苔、鰹節をたっぷり使った漁師めしってご飯物もなかなかおいしい。悪くない。
時間をかけてやってきて待ってまでやっと食べることが出来たラーメンを、美味しくないと言ってしまうとなんだか悲しく、だからひとりひとりがおいしい理由を探りながら食べるラーメン…、って感じがします。
お店の雰囲気はまるで海の家のごとくで、なるほどそういう場所なんだって納得しました。ボクら帰るときの呼び出し番号は35番。待ち札はすでに100番を超えていました、お勉強。