日比谷の地下で魚を食べて、ガラス越しに雨の空を見る
魚を食べたかった。でも日本料理じゃなくて西洋料理的なる魚。
これが案外むつかしくって、どうしようかとしばらく思案。
そうだ、ミッドタウン日比谷の地下のフードホールにシーフードレストランがあったはず。
そこならなんとかなるだろう…、と思ってきてみる。
「ボストンシーフードプレイス」。
通路に面して素材を並べる氷のベッド。カウンターがそこからグルっと円弧を描いて設えられてて中にキッチン。ひと目でシーフードレストランだなっていうのがわかる造りになっている。
そして思った通り、シーフードミックスフライやフィッシュグリルがあった。フィッシュグリルを選んでたのむ。
それにしても良い空間です。
お店と通路を仕切る壁がない。
通路を通る人も他のお店のお客さまも、みんなステキな景色の一部。
ランチにはサラダがついててセルフサービス。
お水もカウンターに並べられていて、オフィス街のレストランはこれがいいんだろうなと思う。
しばらく待ってメインが到着。
今日の魚は鯖。
刻んだ香草とチーズをまとわせ、おそらくスティームコンベクション仕上げじゃないかなぁ…、しっとりとした仕上がりでラタトゥイユ風のトマトソースの上にのせられやってくる。
サイドにバターライスとムサラキキャベツの酢漬け、マッシュポテトがついてくる。
鯖のクセがほどよくとれたグリルがおいしい。ふっくらとした食感に脂がにじんで唇ひんやり。鯖のうま味が口に広がる。
ソースがかなりしっかりとした味わいで、トマト、パプリカ、玉ねぎ、オリーブと素材の食感がとてもにぎやか。鯖の持ち味に酸味と甘みがくわわってご飯をねだるおゴチソウ。
マッシュポテトが少量だけであるのがとてもうれしくて、ソースとあえて一緒に食べる。
バターライスの上にフライドオニオン、砕いたナッツに刻んだパセリ。炊き加減も硬めの好みの状態で、鯖やソースとあえると味がリゾットよりになっていく。
そう言えば昔、映画の前にここで生牡蠣を食べたことがあったんだよネ…、5年近くも前のこと。
ランチに追加でドリンクバーもつけられたんだけど、場所を変えてのんびりしたくてつけずに済ませた。
なにしろ日比谷、丸の内界隈はコーヒースタンド、エスプレッソバーの宝庫のような場所でお茶をする場所には困らない。東京フォーラムの地下にある「レクセルカフェ」を選んでアイスコーヒーを飲む。
ドトールコーヒー系列でちょっと上等。その分、席がゆったりしていてカウンター席には電源ソケットがついている。
グラスが大きく、しかも薄くてモダンなデザイン。スッキリとした苦味とやさしい酸味がおいしいコーヒー。雨降る空をガラス天井越しに地下から見るのも乙なもの。ちょっとのんびり考え事をいたしましょ。