見出し画像

命日の日のおゴチソウ

季節の変わり目に体調を壊すことが多くて、特に冬から春にかけての気圧に変化に弱い。
3年前の昨日も急に熱が出て、タナカくんがうどんを作ってくれたのですネ。
食べてそのままベッドに入り寝ちゃったから、お休みなさいの挨拶すらしなかった。かわりにおはようって元気に言ったのに返事がなくて体が冷たくなっていた。
今は甘える人がいないから、少々、体の具合が悪くてもおさんどんを一生懸命。
甘えていたんだなぁ…、ってしみじみかの日を思いだす。

食材庫に大量のキャンベルスープが買い置かれてた。ほとんどがクラムチャウダー。ふたりの好物。
けれどいくつかクリームマッシュルームスープもあって最後の一個を今朝作る。

タナカくんはマッシュルームが苦手でだからボク用。食欲がないってグズったときによく作ってくれていた。「これ、マッシュルーム臭いネ」って文句をいいながら、でもニコニコしながら作ってくれていたのを今でも思いだす。
そのときスープと一緒に作ってくれたのがたまごトースト。
タナカくんが大好きだったラ・バゲットのミッシェルってパンを使って作ってくれた。思い出しながら作ってみました。

フランスパンの生地を使って焼いた食パンで、それを分厚く切ってその断面に切り目を入れてトーストにする。
玉子をよく溶き塩で味を整えたのをバターで焼いて胡椒をパラリ。トーストの上にのせて朝のメインの出来上がり。バリッと焼けたトーストにふっかりとした玉子が混じって、口の中でとろける味わい。嫌になっちゃうくらいにおいしい。
ボクが食べるのを横でずっとみてくれていた…、それがなによりうれしかったのを思い出して今日も泣く。

千切りキャベツにハムとピーマンの細切りをオリーブオイルと塩であえ、3年目の命日の朝のお腹をみずみずしくする、おゴチソウ。

夜は土鍋でご飯を炊いた。

タナカくんが育ててくれてた土鍋が去年、割れてしまった。
それがさみしくてかなしくて。
すぐに同じ土鍋を買って炊いてみたけど炊き加減がやっぱり違って、ずっと育てて一年目。
やっと思ったようなご飯が炊けるようになりました。
牡蠣をたっぷり使って炊いた。
事前に牡蠣だけ炊いて煮汁を使うレシピが多いけど、ボクは牡蠣をお米の上にのせて炊く。牡蠣ご飯は牡蠣を食べる料理じゃなくて、牡蠣の旨味が染み込んだご飯を食べる料理と思っているから、そういうやり方。
醤油に日本酒、昆布のお出汁。茶碗に盛って三つ葉をちらして出来上がり。
加熱用の牡蠣は炊いてもぷっくらなめらか。牡蠣の旨味が染み込んだご飯のなんともおいしいこと。好きだったもんなぁ…、って思い出しながらおかわりもする。

牛肉とネギをすき焼き風に炊き上げる。

フライパンに油をひいてザラメをパラリ。焦げる香りがしてきたところで牛肉かぶせて日本酒、醤油を注いでクツクツ。肉の赤身が消えた瞬間に引き上げて、残った煮汁でネギをくったり炊き上げる。シャキシャキとしたネギの食感、肉の脂がおゴチソウ。

薄切りきゅうりと塩でもみ水気をしぼり、割いたカニカマと一緒に芥子マヨネーズであえたサラダに、焼いたお揚げの味噌汁添える。

高槻のマウンテンコーヒーさんから今日にあわせてお供え物をちょうだいしました。

アイスコーヒーとドリップコーヒーの詰め合わせ。タナカくんも大好きだったコーヒーで、一緒に伺ったこともある。なつかしいなぁ…、今日はバナナと一緒にたのしむ。そしてのんびり偲びます。


いいなと思ったら応援しよう!