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ランチも冬の献立。牡蠣の小鍋の卵とじ
昨日の夜から体の具合があまり良くなく、今朝、起きるのも難儀した。
目が覚めてしばらくベッドの中でぐずって、食欲もなくお腹もすかず、バナナを一本食べて薬を飲んで書き仕事。
徐々に頭が起きてきて、昼ごはんを食べましょうかと近所の「さわ野」にやってくる。
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先日、お店の前を通ったときにお昼の献立が変わっていたのに気がついた。
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太刀魚と茄子の巻き揚げが姿を消してかわりに「カキ鍋卵とじ」がメニューにくわわり、それを試そうと思ったわけです。
好きなお店でご飯を食べる。
そう思ったら元気が自然と湧いてきて、お店の前にたったところでお腹がグーッと大きくなった。ありがたい。
渋いご主人が厨房の中を行ったり来たりしながら料理ができあがる。
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汁に飯。今日のお惣菜が4種類。メインの小鍋でひと揃い。
今日のご飯はさつま芋ご飯。
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入り口脇の看板に「○十」と書かれているのが粋。薩摩のお殿様、島津家の御紋が丸に十の字。それで○十。皮付きの芋を細かく刻み、ご飯と出汁、醤油と一緒に炊いたもの。出汁の旨みと醤油の香り、芋の甘みが口の中でひとつに混じるオゴチソウ。
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お惣菜はキュウリ、ニンジン、大根、ブロッコリの浅漬けにほうれん草としめじのおひたし。卵焼きに釜揚げしらす。
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もう一種類が魚の卵の煮こごりで、プルンととろけてパラリと魚卵が散らかっていく。おいしいなぁ…、しみじみおいしい、オキニイリ。
メインの小鍋はしばらくクツクツ沸騰したまま。
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牡蠣に豆腐にえのきに春菊。
ふっくら卵でとじられていて、豆腐の周りの白身が半熟。
急いで豆腐をひっくり返し熱を通して、それから食べる。
水を吐かせた木綿豆腐。
それを時間をかけていないのに、味がしっかりしみこんでおいしくなっているのにびっくり。
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出汁に春菊の香りが混じって小さいけれどしっかり牡蠣鍋の味がするのにまたびっくり。
出汁を吸い込んだ卵がふっくら。溶いた卵を流す直前にくわえた牡蠣はほどよく熱が入った状態。クチュっと潰れて滋養に満ちた海のジュースがほとばしり出る。
やさしい味。なのに力強くてお腹と体があったまる。
小鍋をほとんど食べ終える頃には鍋の温度も下がってくる。
取っ手をもって中をとんすいに移して食べる。
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出汁の効いた汁に卵や牡蠣の旨みが溶け込んで、なんとおいしい。
案外たっぷりあったご飯もすっかりお腹におさまった。
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武者顔のご主人がかわいい柄のエプロンをして凛々しく料理を作る様子が、愛らしくってたのしくて、タナカくんが好きだったのもなつかしい。
若い人たちが働くお店も元気がもらえて好きだけど、しっとりとしたやさしいムードのシニアな店が最近格別心地よい。こういう店を大切にしなくちゃいけない…、ってしみじみ思う。オキニイリ。