お昼の〆におかめの杏みつまめ
テクリテクリと歩いて有楽町の駅まで移動。
甘いもので昼のお腹に蓋をしようと交通会館の「おかめ」に落ち着く。
オキニイリの甘味処。いつもご婦人方でにぎやかだけど、今日はおじさま3人がニコニコしながらおはぎやお汁粉を食べてらっしゃる。
「コーヒーに洋菓子もいいけれど、こういう甘味がしみじみうれしい年頃ですなぁ…」というのを聞いて、そう、そのとおりとひとりうなずく。
ボクもそういうお年頃。
ここで一番のオキニイリが「杏みつまめ」。
いろんな甘味屋さんで試してみたけど、ここの杏みつまめがボクには一番おいしく感じる。
寒天の大きさ、硬さ。杏の状態、そして黒蜜。どれもがボクの好みにピッタリ。器の中に花を咲かせるように杏が5個。求肥がおしべ、めしべのように見えるのがあいらしい。
干した杏はふっくら戻され、しっとりつややかで香りさわやか。甘酸っぱくって明るい酸味が持続する。頭や体がシャキッとするような凛々しい酸味で、舌の上でゆっくりとろけてなめらかになる。
寒天はちょっとかためでそのまま食べると磯の香りに軽い塩気がすがすがしい。小豆はコツンと奥歯をたたき崩れてく。
黒蜜をたっぷりかけまわす。やさしい甘み、コクがある。寒天にたっぷりまとわせスプーンですくい舌にのせるとスルンとすべる。そしてやさしく崩れてく。
食べるにしたがい杏の酸味が甘い黒蜜にうつってすっきり爽やか味になっていくのがまたおいしくてウットリします。オキニイリ。