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昼、貝だらけ

「貝だらけ」のランチにしよう…、と新宿西口。

電気街の中の小さな路地に面したお店。同じビルの2階には豚珍館って揚げ物がおいしい定食屋。こちらは貝がおいしい日本料理のお店でどちらも人気があるお店。
ランチタイムはずっと行列。
豚珍館なんて2階に向かう階段いっぱいに人が並んで、そこから溢れてしまうほど。
しょうがないから午後にしようと思ってた仕事をまずは片付けて、1時半を狙って再びやってきてみた。

豚珍館にはまだ行列。けれどこちらのお店は行列がなく静かな状態。
入り口近くで2組食事をしてる最中。お店の人はお客様が使ったテーブルを後片付け中。

景色は静か。けれど空気はまだ熱気を帯びてて、それがじんわり心地よい。お店の奥、厨房近くのテーブルもらってホッとする。

水槽の中にはいつものように貝がたくさん。
ランチのピークも終わったこともありランチメニューの半分が売り切れ。目当ての「貝焼弁当」はあるというのでそれを選んだ。
タナカくんもボクも貝好き。だからこういうお店ができたというのがうれしくて、毎月のように来ていた。サービス係に中国出身のおばさんがいて、仕事や生活の悩みをタナカくんが辛抱強く聞いてあげていたから好かれていたりもしました。なつかしい。

しばらく待って貝焼弁当がやってくる。同じ形のお重が2つ。ご飯に刺し身がおさまって味噌汁、サラダに小鉢に漬物でひと揃え。

ご飯は貝のお出汁と醤油で炊いた炊き込みご飯。
中には刻んだ貝紐がたっぷり混ざって味わい、風味も貝の味。
ご飯の上には焼いた貝。牡蠣にホタテの柱と紐が乗せられていて、それで貝焼。海苔と大葉が彩り、風味を添えている。
ご飯は硬め。口の中でパラッと散らかりにぎやかす。
味がご飯の芯まで入って、ときおり紐がコリコリ奥歯を叩いておいしい。
牡蠣やホタテの柱はバターをまとってツヤツヤしてて、牡蠣はぽってり、太ってふくよか。海の滋養をふりまき消える。
刺し身はこんもり山形に盛り付けられてて、器の中はちょっとさみしい。

日本料理の盛り付けは立体的に余白を活かしてすることが定石ではある。
けれどこれじゃぁ、あまりにさみしくてどんな魚の刺し身があるやらうかがい知ることもできない状態。

どうにかならないものかしらと山を崩して並べてみると、甘鯛、サーモン、スズキにマグロ。案外たっぷりでホッとする。
どれも脂がのった刺し身でご飯をおいしくしてくれる。

サラダは野菜の上に小柱たっぷり。トマトに千切りキャベツに千切り大根。みずみずしくて口が潤う。小鉢はひじき煮、汁は貝汁。ほどよくおいしくボリュームたっぷり。お腹も満ちる…、オゴチソウ。


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