ご婦人方に愛される店、新宿ルブラン
昼に新宿、ル・ブランに来る。
かつて「東京で一番おいしいドリア」という謳い文句を使ってたカフェレストラン。
女性に人気でいつもにぎやか。週末ともなるとウェイティングの行列ができるお店で、やってきたらほぼ満席。二階のテーブルがひとつだけあいていますと言われて二階にあがる。
何度も来てて2階に来るのははじめてで、2階も一階と同じく白い壁に白いクロスを引いたテーブルが整然と並んで明るい。
そして2階もほぼご婦人方でにぎわっている。
ビックロの横にある店。そのビックロが三越だった頃からずっとある店で、伊勢丹じゃなく三越を好むご婦人に人気があった。銀座のお店も三越の脇。新宿から三越が消えてもここは落ち着いた女性のハートをわしづかみ。
目当てはいつもシーフードドリア。よく焼いてくださいネ…、ってお願いをしてお供の飲み物にルイボスティーを選んでたのむ。利尿効果があるから今の体には薬のひとつ。最近家でも煮出して飲んでるオキニイリ。
テーブルの上にはあらかじめシルバー類が並んでる。スープスプーンにサラダ用のこぶりなフォーク。メインディッシュ用のフォークとスプーンという組み合わせ。ナイフは用意されてない。
選べるメインはドリアにグラタン、スパゲティーにリゾットとどれもナイフを使わず食べられるものばかり。
ナイフを使う料理を売らないというのがここのメニューの方針で、気軽でやさしい感じが伝わる。「切る」ということに気持ちを集中させなくていいから、おしゃべりを邪魔しないとこも女性に愛される理由のひとつなんでしょう。
スープにサラダがまずやってくる。レタスやトマトがキリッと見事に冷やされたサラダでお腹の入り口あけて、ぽってりとしたコーンポタージュでお腹をあっため準備万端。
お待たせしましたとドリアが到着。
一緒にタバスコ。
「お使いになりますか?」って確認しながら置くのがちょっと優雅でステキ。
到着直後は器の縁でソースがグツグツ、小さな沸騰を続けてる。
見るから熱々。
よく焼いてください…、ってお願いしたから表面はこんがり焦げてて焦げたチーズの香りが食欲さそう。
フツフツ沸騰していたソースはホワイトソースにアメリケーヌソースを混ぜて仕上げたもので、エビの風味がチーズと混じってなんとも濃厚。バターライスと一緒に口に含むとぽってりとろり、ご飯の粒をつつみこみ舌の上で転がるような感じがするのがオゴチソウ。
具材はたっぷり。エビにイカにみじん切りにした玉ねぎ、缶詰マッシュルーム。ご飯よりも具材の存在感がまるでシーフードのオーブン焼きのような感じがするのもステキ。
タバスコをパパっとかける。
タバスコって辛味調味料と言われるけれど、辛さを足すためだけならば他にいくつもの調味料がある。タバスコがタバスコらしいのは酸味と香り。特に鋭く鮮やかな酸味はクリームだとかチーズだとかの味や風味をひきしめて、旨味にくっきりとした輪郭をつけてくれるのがボクは好き。
スプーンは使わずフォークで食べる。器に貼り付いた焦げたソースやチーズをこそげて食べるのにフォークの方が便利だし、スプーンに比べて横幅が狭いフォークは口にもやさしい。ぽってりとしたソースが絡んだご飯は具材はフォークの隙間からこぼれ落ちることもなく、器の中はキレイに空っぽ。
ルイボスティーで火照った舌をクールダウンしお店を出たら外には行列。人気なり。
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