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浅草のハトヤでホットドッグとゆで小豆

そしてひさしぶりに「ハトヤ」に来てみる。

新仲見世のアーケード街の喫茶店。
浅草にくるたびお店の前を通って、いつも開店前とか営業終わった直後だとかと振られ続けてやっと今日。営業中でらっしゃった。
お店の前にいかにも昭和なショーケース。
間口狭くてお店も小さい。お店の奥にある厨房前のテーブルがひとつ空いててそこに座った。
若い女性がメインの客層。ホットケーキやクリームソーダが人気のようでインバウンドさんもいらっしゃる。ボクがここで好きなのはホットドッグにゆで小豆。お願いをしてのんびり待ちます。時間がゆっくり流れます。

まずゆで小豆がやってくる。
耐熱グラスに洋白製のハンドル付きカバーを穿かせた姿がなんとも昭和的。
ロシアンティーを飲むがごときの、おそらく開業当初のハイカラ風に違いない。

グラスの底には茹でた小豆が沈んでて、小豆色したお湯が上に向かって透明になるグラデーション。
小豆のお湯わりみたいな飲み物で、底に沈んだ小豆はスプーンですくって食べる。
味はさっぱりとしたお汁粉みたい。
飲むと砕けた小豆の粉っぽさが喉をくすぐる感じがおもしろく、甘みはやさしい。茹でた小豆はホツホツしながら奥歯に当たるとほろっと崩れる。ふっくらしっとり、儚い感じがおゴチソウ。

ホットドッグを提供するとき「中身が垂れ落ちますから服を汚さないよう注意してくださいね」ってお店の人がひと言添える。
いつも忘れず、セリフも同じ。

そっと持ち上げカプッと食べる。

ドッグロールの表面がしっかり焼かれてサクッと歯切れる感じがまずおいしいい。
パン生地自体はそっけなく、若干粗めでふっかりとして口溶けがよい。

切り目を入れてこんがり焼いたウィンナにケチャップたっぷり、刻んだピクルスと具材はシンプル。ウィンナさんがプチュっと爆ぜて、パンと一緒なってとろける。
こぼさぬように注意したのにポトっとソースが垂れ落ちて紙ナプキンをしたたか汚す。おいしかった印と思えばそれもよし。


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