中野のほおずき。今日も排骨担々麺
中野でお昼。担々麺の「ほおずき」に来た。
ブロードウェイの近所の路地。涼をとるためにお店の軒からミストが噴き出し、景色の輪郭を淡くする。
お店はにぎやか。ほぼ満席。カウンターにひと席もらい買った食券わたしつつ「大辛、ご飯少なめで」ってお願いをする。
買った食券は「排骨担々麺」。
ランチタイムはご飯がサービス。担々麺で十分お腹は満たせるけれど、ご飯があるとなおたのしくて、それでご飯は少なめに。
タナカくんが好きだった店。
担々麺が大好きで一緒にいろんなお店を食べ歩いた。特にぽってり系のスープが好きで、担々麺だけで言うなら他に好きな店があった。
けれど排骨担々麺となるとここのが最高峰…、って言っていた。
スープがぽってりし過ぎると排骨が重たく感じる。
サラサラ過ぎるとスープが排骨に負けてしまう。ここのはそのバランスが絶妙なんだ…、って言っていた。
いつもは外でサービスしているご主人が、今日は自ら料理を作る。ワクワクしながら料理を待った。
10分ほどで大辛排骨担々麺がやってくる。
よじれるように揚がった排骨、搾菜、茹でた小松菜。
排骨の上にサクッと揚げた小さなエビが散らかっておいしい匂いがふわっと漂い鼻をくすぐる。
スープをゴクリ。
胡麻の香りに甘みに、渋み。出汁のうま味やエビの香りが混じり合い味わい濃厚。
そしてじんわり、舌の中から辛味がにじみだしてくる。
つねるような辛さじゃないのネ。
舌全体を包み込みあたたかくするやさしい辛さ。
スープがおいしいからなんでしょう、うま味と辛味が重なり合ってやってくる…、そんな感覚。お腹の中から汗をかく。
排骨ふた切れ、ご飯の上にのせる。
スープを吸ってぽってりしてくる衣もおいしい。けれどサクサクとした揚げたて感も捨てきれず、その両方を味わうための小ライス。
麺は細くて縮れてる。一見、たよりなさげに見えてこれがなかなかたくましい。特に最初はバッサリ歯切れ、口に散らかる食感、さわやか。
麺にエビの卵を練り込んでいて風味が良いうえ、スープをたっぷりからめて口を潤すゴチソウ。
排骨の肉は薄い。これまたいかにもたよりなさげで、けれどこの薄さゆえ麺やスープとの一体感をこころおきなく味わえる。
肉に下味がしっかりしみこみ、しっかりとした歯応えもある。五香粉の香りが気持ちが台湾あたりに飛んでいくのもなんとも言えないステキ。
お酢をたらすと酸味が辛みを甘くして、スープをゴクゴクのんでしまえる。飲んでしまえるのだけれど、飲むとお医者さまに叱られそうで、ちょっと残した。
おいしかったよ…、ってつぶやきニッコリ、席を立つ。