時間を無駄づかいするシアワセ
新宿の「ダグ」でぼんやり。映画館ビルの隣の小さなビルの地下。
明るい表通りから一歩中に入ると、暗くてまるで別世界。階段を降りるとレンガとマホガニーの重厚なインテリア。
ゆったり座れる椅子にジャズ。酒につまみにほどよき暗さ。
こういう店が好きだったなぁ…、ボクはホテルのバーのようなオーセンティックでバーが好きだったけど、タナカくんはパブっぽいお店が好きでたまに来ていた。
ジャズが好きだったのもあって来ると、シングルモルトを片手にのんびり1時間は座ってた。
缶詰の缶ごとあっためるオイルサーディンやサラミ、あるいはミックスナッツ。酒をおいしくさせるつまみを並べてジャズを聴き、思い出したように口に運んで、酒をゴクリと飲んでぼんやりを繰り返す。ときおり目を閉じ聴き入ったりする、そういう時間の過ごし方が彼は本当に好きだった。
ボクはそれを無駄な時間って感じることが多かった。
特に仕事をバリバリやってたときには、すぐにイライラしてたかなぁ…。
それでいつしか一緒にこういう店には来なくなっちゃっていた。
今なら心置きなく何時間でも付き合えるのに…。
なんか残念。
もったいない。
まだ外の明るい時間のコトです。
冷たいアッサムミルクティーをもらってお供にダグットサンドイッチでおやつにしました。
ここのアッサムミルクティーはミルクで茶葉をじっくり煮込んで仕上げたもので、味わい濃厚。甘さもほどよく時間をかけて味わいたくなるオゴチソウ。これならシングルモルトを飲む彼のペースにあわせてのめたはず。
ダグットサンドはフランスパンにハムにチーズ、キュウリにレタスを挟んだもので、おそらくダグウッドサンドイッチのこの店風ってことなんでしょう。
たっぷりです。バゲットもチーズも分厚い。キュウリも結構厚めに切られて、特にバゲットは顎が疲れるほどに頑丈。噛んでびくともしないところもあって、噛んでちぎってむしって味わう。
食べると器の中が容赦なく散らかっていくところもたのしい。征服欲がわいてくる。
耐熱ガラスの器に入ったアッサムミルクティー。ゆっくり冷めて、温度が下がると苦味、渋みに茶葉の香りが力強さをましてくる。のんびりゆっくり、ジャズに浸かってぼんやりしましょう、昼下がり。