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杏一個を月に見立てて杏みつまめ

ついでに甘いものを食べておこうと「おかめ」によった。

有楽町の駅前にある交通会館の地下の店。
地下に降りる階段の店名を書いたサインボードがあって「おかめ」の横に「ひょっとこ」がある。
系列店で、おかめは甘味、ひょっとこは和風ラーメンのお店というのが粋でなんとも愛らしい。
かき氷の季節にはかなり混雑していたけれど、今日は静かでホッとする。

オキニイリの「杏みつまめ」。

干した杏を寒天にのせ豆をちらして仕上がっている。
杏が好きでいろんなお店で試してみるけど、ここの杏は硬めで酸っぱく一番好きかなぁ…。
黒蜜も粘度がほどよく甘みもやさしい。それも好き。

器の中に杏が5枚。花びらみたいに盛り付けられてピンクと緑の求肥がまるでおしべのように見える姿が可憐でステキ。
黒蜜をそっとかけます。黒蜜を入れた器に引き寄せられるように円弧を描いて杏の上に垂れていくのが不思議。

黒蜜をまとった杏はしっとりつややか。
舌の上におくと最初は黒蜜の甘さを感じ、そこにゆっくり杏の酸味が混じってく。

噛むとクチュッと潰れてとろけ、口の中をスッキリさせる。
寒天は若干硬め。小豆も硬めでコツンと奥歯を叩いて崩れる。オゴチソウ。

そういえば今日は中秋。最後に杏を一枚残し、スプーンに乗せて月に見立ててパクリと食べる。甘露なり。


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