有楽町のはまの屋パーラー、渋谷のPARCOにニューオープン
有楽町で地道に細々やってた「はまの屋パーラー」。
渋谷のPARCOに新店舗ができた。
地下一階の食堂街の一角。天井がさして高くないフロアだけど、天井を鏡張りにしているから低さを感じず「街感」がある不思議な空間。地下に現れた路地のようなムードがたのしい。
はまの屋パーラーは一戸建て感があり小さなドアに窓、カウンター。
どこか場末のスナックみたいな感じがするのは、実際夜にはジェンダーレスなスナックになる。そのスナックの間借り営業の喫茶店って感じがするのがオモシロイ。
有楽町の古いオフィスビルにある店です。創業者たちが引退して一旦、廃業してしまった店でもある。若い経営者が引き継いで営業再開したときには、その再開を喜ぶ人たちが列をなした。
おなじみさんの応援でつながった店でもあって、その店がPARCOみたいな晴れがましい場所に出店。
保証金も家賃もさぞかし高いでしょう。
近所の大衆的なそば屋さんの地味なご主人が、ある日突然、マセラッティにさっそうと乗ってお店の前に乗り付けた…、そういう景色を目の前にして感じる気まずさ。
一生懸命稼いだお金をどう使おうが勝手というのはわかっているけど、みちゃいけないものをみちゃったような感じを持たれてしまうのが飲食店という身近な人気商売の大変なとこ。
帝国ホテルに二号店ができたときも居心地悪く思ったけれど、それに比べりゃこの場末感はほどよい感じ。
これじゃない感を感じながらも、これならギリギリ…、っていう感じ。
メニューは有楽町のお店のそれとほぼ同じ。
サンドイッチじゃなくて「サンドゥイッチ」と表記するのもここの伝統。好きなサンドイッチを2種類選んで盛り合わせることができるのも、トーストブレッドを選ぶことも同じでいつものように注文。
ハムと玉子のサンドゥイッチをハーフハーフで、ハムの方だけパンを焼いてもらってとたのむ。すんなり注文が通るところがありがたい。コーヒーは酸味がしっかりとした昭和仕様。カラフルな器は有楽町のそれよりずっと昭和的。
サンドイッチを4つに切り分け盛り付けるのもはまの屋スタイル。
ここのお店の卵焼きはかなりなまなましくて仕上がりなめらか。ちょっと甘く仕上がっている。作った人による誤差なのか、それとも渋谷の方をスイートに作ってみようと決めたのか。ハムやレタスの状態はほどよくたのしく味わえる。
コーヒーとサンドイッチのセットで970円。渋谷の朝としては決して悪くない値段でしょうね。9時開店の直後に来て、30分で食事を終えて外に出る。まだ営業前で、営業準備で忙しない地下の路地裏の様子がにぎやか。開演前の舞台裏をみているような気持ちがするのがオモシロイ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?