肉のせ炒飯にエビの春巻き。おいしいもののある世界
予定していた出張が台風懸念で取りやめになり、ニュースで不要普及の外出は控えるようにというので今日は近所で一日過ごすことにした。
お昼ご飯は近所の「シェフス」。
海南鶏飯や排骨飯とご飯の上に料理を乗せたオーバーライスがランチのメイン。
ずっと気になっていた「肉のせ炒飯」を食べてみようと思って歩く。歩きながら「肉のせ炒飯肉のせ炒飯」って呪文のように唱えつつ、テーブルにつきメニューを見たら肉のせ炒飯の写真の横にエビの春巻きを見つけちゃう。
それも追加で…、ってお願いをしてのんびり待った。
炒飯をたのむと厨房がひときわにぎやかになっていく。
鍋をコンコン、小刻みに叩く音がしばらく続き、そこに溶いた卵を流したのででしょう…、ジューっと湿った音がしたかと思うとカシャカシャ、鍋をお玉がひっかく音。中華鍋が五徳にぶつかる音と一緒にジャジャッジャジャッとご飯が焼けてく音がする。
そこにシュワシュワ、春巻を揚げる油が細かく沸騰する音が混じってお腹がグーと鳴る。
それにしても炒飯ってなんて手間のかかる料理なんだろう…、入念と大胆、繊細さと力強さが生み出すゴチソウ。シャーッシャーッと鍋を擦る音で厨房のにぎわいはひと段落。お待たせしましたとやってくる。
ほら、こんなにもうつくしい。
ご飯の粒が卵をまとって焼けたような黄金色。
細切りにした牛肉を炒めたものがてっぺん飾って、みじん切りにした搾菜が脇をかためる。
焼けた卵の香りが鼻をくすぐり、食べる前からもうおいしい。
パラパラではない。しっとりしてる。
けれどご飯は芯まで焼き切れていて香ばしい。
口の中でしばらくご飯はくっつきあって重量感を感じさせ、ところが突然パラっとほぐれて散らかっていく。
噛むと奥歯がフカっと沈む。そしてジュワッと旨みが口に広がっていく。卵がふっくらご飯をまとめていたからしっとりしていたんですネ。ご飯自体はパラパラに焼き上がっていてふたつの異なる食感スプーンひとすくいで味わえることにウットリします。
やわらかな肉。醤油とオイスターソースで味はしっかり整っていて上品味の炒飯と一緒に食べるとほどよい味わい。刻んだ搾菜はカリカリ食感整える。
エビの春巻きもおいしかったなぁ…。
細巻きで齧るとエビの香りと生姜の風味がスパンと口に飛び込んでくる。
エビはすり身じゃなくて叩き潰したものがゴロゴロ巻かれてる。だからムチュンと歯応え良くてエビの旨みも力強い。
揚げた春巻きの皮をたっぷりのせたサラダもまた旨い。
今日は上着が必要になる肌寒さ。店に入ったときにはちょっとブルっときてたのに食事を終えるとポカポカしてた。
おいしいものはお腹も気持ちもあっためる。ありがたきかな、おいしいもののある世界。