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五目という贅沢、五目というシアワセ

ひさしぶりに歌舞伎町の「五十番」。

コロナの影響で日本で一番受けた町。コロナ前に一攫千金を狙ってできたお店は次々潰れたけれど、実直に自分のペースを守ったお店は今でもしっかりやっていけてる。
そういうお店のひとつがここ。
どんな町にでも一軒はあって、地元のおなじみさんでほどよく賑わう中国料理のお店。
ショーケースの設えや、商品看板の独特の文字。

どのくらい前からこの値段でやってるんだろう…、って思うほどに安い価格と昭和が今でも生き残る店。
前回来たときにはブラウン管のテレビがおかれていたけれど、それが平面テレビに変わっていたのが唯一変わったところかな。

開店と同時にお店に入って入り口前のテーブルにつく。
厨房の中からおかあさんがひょっこり顔をのぞかせて、「いらっしゃいませ」って明るい声で挨拶するのにニッコリとなる。
今日の目当ては五目そば。今どきうれしい650円という価格。

厨房からジューッと湿った音がする。
それが徐々にジャジャッジャジャッとなにかを炒める音に変わって、ときどき鍋をお玉がひっかく音が混じっておいしい匂いがやってくる。
そしてまもなく出来上がり。

具材たっぷり。
色鮮やかでうつくしい。
キャベツの上に半割にしたゆで卵。
ネギを混ぜて焼いた卵焼きにかまぼこ、ナルト、チャーシュー2切れ。

五目そばに何が入っているのかはお店によってさまざまでかまぼこ、チャーシューは必ず入る。伊達巻をいれるお店も結構あって、例えば西新宿の「登喜和」と言う店は伊達巻系。ここは代わりに卵焼き。どちらもスープを飲み込んで、しっとり、ふっくらおいしくて好き。

野菜を炒めて仕上げた証拠にキャベツに焦げ目がしっかりついてる。

それがなんとも香ばしく、キャベツの合間から一緒に炒めた豚バラ肉が顔を覗かす。
麺は軽く縮れた細めの麺。

コツコツとした歯ごたえ残した湯で具合で、スープをしっかりたぐりよせザクッと歯切れて口の中で散らかる感じが心地よい。
キャベツ以外にもニンジン、タケノコ、きくらげ、ピーマンと野菜の種類も豊富でおいしい。塩味スープに野菜の風味や脂の旨味が混じるおいしさは炒めて仕上げたラーメンならでは。

ゆで卵を食べようとれんげにのせるとゴロンと上下、ひっくり返った。新鮮な玉子を使っていたからでしょう…、白身が凸凹してました。


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